私は『ここ』に居たくなかった。

それは、家に居たくないとか、盛岡に居たくないとかじゃなく、漠然と訳も分からず思ってた。

旅に出る時は、少なからずそんな気持ちを抱えていた。



この気持ちは、日本中どこまで行っても消えない。


そこで思い知る。


私は、『ここ』に居たくないんじゃなくて、ここにいる『自分』から逃げたくなっていたのだ、と。



そこからがスタート。

自分と向かうリスタート。

非日常に飛び込む事で、積み重なっていた偏屈な意地や、捩曲がった眼、余計な価値観が見えて来る。

それは日常の中でごちゃごちゃうじうじ考え込んで培ったもの。


見えてきて、そして気づく。


物事は、もっとずっとシンプルだ。



帰宅後仕事に戻ってから、少しずつ気持ちが整理された。


気づいたら、ずっと鳴ってた警報が消えた。

バイク旅の風の余波に、私のうじうじ蛆虫も吹っ飛んだみたい。

繰り返してた日常に再び戻ったという経験がくれたプレゼント。


ありがとうには素直にありがとう。
ごめんなさいには謙虚にごめんなさい。

シンプルだからこそ引っ込み思案で天邪鬼な私には難しいけど、

意地を張らずにやっていけば、物事は意外と上手く行く。



「私には日本中に大好きな人がたくさんいる。」


それでも上手くいかなくって辛くなったら、この魔法の言葉で踏ん張れるみたい。