入港する島を甲板から眺めていたけど、最後の名瀬港に入港した時にはもう力尽きて寝床に入っていた。


あまりに早く寝たから、夜中にふと目が覚めた。


案の定寝付けなかったから、甲板に出てみた。


真夜中の空。


魔性を持ったようにジタジタと青光る月、その月に寄り添う泣き黒子みたいな星以外は、


艶の無いマットな夜空に飲み込まれて何も見えない。


まるで、夢うつつの夜。



再び寝床に潜り込む。



朝、少し動き出した人の動きでまた目が覚める。


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朝日が昇っていた。


見えるのは九州。


慌しくなっていく船内。


程なく、鹿児島港到着。


3号線に乗って、一直線に北上を開始した。


街中はうんざりするほどの車通りだったけどすぐに走りやすい川沿い。


ずっとこんな道ならいいな…。


もちろんそうもいかずにいくつかの街を通り過ぎ、熊本へ入る。


まだまだ走る。


熊本TSに到着し、休憩。


そこで、おや?見た事ある人。


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ズーム
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見えにくいけど、この南部せんべいストラップ…。


そう、ケニーさん!!!


愛知のケニーさんが、たまたま九州に旅に来てた!


愛知で会った時に九州がかぶっていると判明し、鹿児島で会う予定だったけれど、

ケニーさんが急用が出来て、会えないと思っていた。


でも、何とか都合をあわせてくれて熊本で再会できたのだ。


ほんの3、40分だったけど、色々お話できた。


相変わらずの細やかな心配り。見習いたいな。


会えて良かった…!


私の出発を見送ってくれたケニーさん。


次はミサトちゃんも一緒に、酒でも飲みたいね!


随分眠くなっていたけど、おかげでまた気持ち良く走り出せた。



まだまだ走る。


走り続けた私が目指したのは北九州。


「有料だけど冷や水トンネル通った方がいいよ。」とのケニーさんのアドバイスに従い、トンネルを抜ける。


トンネルを抜けたら、そこは、、、!


大雨…。


「だあ!マジか!!!」と叫びながら、歩道にバイクを止めてカッパを着た。手遅れだけど。


そのまま走ると雨も止んで、道もすっかり乾いていた。


そして、目的地直方市に入る。


今回どうしても会いたかった人。


日本一周中にお世話になった人。


「お礼に何か送りますね。」と言っておきながら送ってなかった。


直接持って行きたい。


その人の家の場所は覚えていた。


懐かしいお寿司屋さんの看板。


ここだ。


バイクを降りておそるおそる中を覗く。


「いた!」


ドキドキしながら店に入った。


最初に気付いたのは奥さんだった。


そしてまさかのドッキリ再会、北九州おやじさん。

目が点になってる!ドッキリ大成功~~~!!!!


まずはお土産を渡した。


そしたら「泊まっていけば?つもる話もあるし。」


今回は、甘えない様にしようって思ってた。


でも、このまま帰るのもさびしい…。


すんごく悩んだけれど、結局またお言葉に甘える事となってしまった。


カウンター席に座ると、まずはビール。


そして、次々に上等すぎる料理が…!


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寿司職人渾身のボルシチまでいただく始末。


ボルシチ初めて食べたけど、こんなにおいしいものなの?!


大好きになっちゃったよ!


突撃ドッキリにしちゃったもんで、オシャレなおじ様オオクボさんに会えなくて、作戦のずさんさをかみ締めた…。


でも、「いやあ!感動した!!!」としきりに北九州おやじさんが言ってくれるから、


来て良かったと本当に嬉しくなった。


「次に会うのは、ずっと先、僕たちが岩手に行くときだと思ってた。」


私も、ほんの数ヶ月前までは、こんなに早く会えると思ってなかった。


嬉しい浮き足立った気持ちのまま、この日は前回泊めていただいたお店の座敷に泊まらせてもらった。


朝、朝食をご馳走になり、
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(なんと味噌汁に、前回私がおいしい!と大騒ぎしたヒラスが入ってた!)

お風呂に連れて行ったもらった。


さっぱりした所で、出発だ。



「甘えたくない」と思っていたけど、今もやっぱりそう思うけど、

そのまま突っぱねてたらこんなにお話は出来なかったんだから、

今回はこれで良かったんだな…。


にしても、甘えすぎちゃったけど。


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気前の良すぎるかんしゃく玉九州男児!!


いつか、倍以上返しをさせてください。


色んな意味で、ありがとうございました!


また会いましょう!!!!



ここを出発する時は決まって眩しい晴天。


また会えるという約束のような青空。



会いに行って良かったと、喜んでくれた顔を思い出しながら次なるターゲットの所へ向かう。


門司港関門トンネルのすぐ傍に『カドヤ(仮)』というカフェを目指す。


ここに居たのは、まだ会った事が無いけれど、インターネットを通じて知り合ったカジさん。

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前作『よぅそろお』を読んで下さって、mixiにメッセージをくれてた。


初めは言葉少なだったけれど、話していくうちに

私が今どうしても消化できずにいた事の答えのようなヒントをくれた。


その言葉は、私の肩を随分軽くしてくれた。



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写真が下手でうまく撮れなかったけど、すごく落ち着く雰囲気のカフェ。


あんまり時間無いのに長居してしまったよ。




「会えて良かった」



九州に入ってから、その連続。