別件とはばーちゃんの卒寿祝い。
親戚一同が集まってご馳走を食べたり、酒を飲む。


一昨年の米寿の時は日本一周中だったから、
京都で買った長寿箸と、大宰府で買った長寿手ぬぐいを送ったんだ。
今回は参加できて良かった。
ばーちゃんおめでとう。まだまだ祝いを重ねましょ。
翌日、眠い目をこすりながらの出発。
私だけ別行動の協調性ナシ子ちゃんです。
単身なので準備も早く、一足先に出発した。
帰りは106号線を帰ろう。
真っ直ぐ帰ろうかと思っていたけど、浄土が浜に立ち寄った。
駐車場からの歩き道は、木が茂りトンネルを作って日差しを優しく遮ってくれてる。
静かな空間には鳥の鳴き声が反響。
疲れも忘れて歩けた。
久しぶりの浄土が浜。

真っ白なジャリ浜に、凪いた海は、相も変わらずの浄土っぷり。
潮が引いた波打ち際は大量の藻で真緑!
中こんなんなってたんだ…。
真水の様に透明な海は、遠くから見ると藻の緑色をエメラルドグリーンに変換してた。

うん、私は満ち潮時が好き。
また歩いて、バイクに着いた頃には汗だくになっていた。
「あちぃ~!」と走り出したら、「さむぃ~!」になった。
汗が衣類を濡らして風が冷たい!
かまわず走り続け、106号線へ乗る。
街中は結構込んでいた。
でも交通量が減るのに比例して、素敵な道になってきた。
川をなぞる道が、本当に好きみたい。
道の行く先を示す川、目前に迫る山脈は、山が、フレアスカートのドレープみたい。
稲が眩しい!
近いほど早く、遠いほど遅く変わる表情は、走ってなきゃ味わえない生きてる景色。
私を撫でながら駆け抜ける景色を感じてたら、あれこれごちゃごちゃ考えるのが嫌になってきた。
ただ走ろう。
しばらく走り続けてから、道の駅で休憩。
偶然にも親戚一同とかち合う!ランチを一緒にして、またバイバイ。
別れた後一服していたら、大型バイクの2人連れのおじさま方と遭遇。
すんごいかっこいい年の取り方してる!話も面白い!
しばらくの間、ゲタゲタと笑いながらおしゃべりした。随分話したなぁ。
名残おしいけれど、そろそろ…。また走り出す。
頭を空っぽにして走りたかったけど、無理だった。
昨日から、ずっと、思い出してる。
旅の感覚を。
一人っきりの不安、一人でたどり着けたご褒美のような景色。
キャンプの夜、太陽の角度、迷子、散乱する荷物、日に焼けた肌や日焼け止めの匂い…
抱えきれない程たくさんの、眩しい出会い。
知ると知らないじゃ大違い。
私は知ってしまった。
甘い蜜を。
早く帰って仕度しなきゃ。