【6/2 4:30頃】
青看板の『釜石』の文字に従って走る。
走り走ると『釜石大観音』の看板。
空は随分白んでいた。
看板からすぐ、左手に、海と海に向かう観音様が見えた。
明るくなってきた空に浮かび上がる大観音。
なんと絵になるものか。
一瞬一瞬が、今しか見れない貴重なフォトグラフ。
そろそろ朝日が昇る。
朝日を見る為に前途多難な海沿いを選んだ私達には大切な時。
けれど意外と内陸を走る45号線。
水平線を目指し様々な入江に行き、様々な港に立ち寄る。
上手く見れない。
三陸のリアス式は私達の望みをおいそれと叶えてはくれなかった。
もう随分走り、空全体が柔らかい青空になっていた。
偶然に、海に行けそうな道を発見。
何となく、そちらへ向かってみた。
辿り着いたのはビーチ。
朝日は今にも昇ろうと、空を眩しく輝かせていた。
水平線からは見れないけれど、私達はこの場所で、「朝のリレー」を受け取ろうと決める。
テトラポットに座り込み、今日の「バトン」を待つ。
入り組んだリアス式の半島より、今日の「バトン」が渡される。
「来た!来たよ!!」
昇り来る太陽に、どちらともなく手を合わせた。
浄化されるようだわ…
昇りたての太陽を浴びるのは本当に久しぶりで、
心と体に溜まった毒素が「すぅ」っと抜けていくのを感じた。