SIMS4のストーリー作りが行き詰まった。筒井康隆氏の小説『残像に口紅を』を元に、破壊的プレイを思いついたのだが、アイディア倒れの危機だ。

 

 他にもいくつかストーリーメイク中のものや、プレイ終了後のまとめをしていないものがあるので、忘れないようにメモする。

 

 

  オリヴィア・オリヴェッティの物語

 

 ベルベル人にルーツを持つイタリア系アメリカ人の若者(女性)が主人公。サンフランシスコ動物園の正面入り口に近い住宅街(太平洋が目の前にある。天気の良い日の夕方にサンフランシスコ動物園の正面入り口から太平洋方向を見ると壮大な夕陽が見れる)、先祖がアメリカに渡ってきて以来住み続けている家が最初の舞台で、SIMS4ではWillow Creekのクリックカバーナを使う。

 ある日の深夜、ゴースト(オリヴィアは、知らない老人だが、おそらく先祖なのだろうと勝手に想像する)が現れ、オリヴィアに太平洋を渡りなさいと告げる。オリヴィアは戸惑いながらもそれに従い、日本に向かう。SIMS4ではコモレビ山が次の舞台。その次はタイ(SIMS4ではトマランを使う予定)、中央アジア(SIMS4ではOasis Springsを使う予定)と巡っていき、最後は人類の起源とされるアフリカに渡る予定だが、アフリカに合うSIMS4のワールドがなく、どこを使うか考え中。その前に、日本に渡るところで行き詰まっている。

 

 主人公のシムは作成済みで、最初の家も建てた。ロードムーヴィーらしいストーリーにしたく、練っている内に練っていることを忘れそうになっている。

 

 サンフランシスコはイタリア系移民が多い(下院議長を務められたナンシー・ペロシ氏もそうだ)。イタリアは地中海に面した海の国でもあり、昔から船員が多く、アメリカにも多数のイタリア人が移民として渡ったようだ。イタリアは料理も美味いから重宝されたのではないか。

 ディズニー映画わんわん物語(原題はLady and Tramp)で主役の犬LadyとTrumpがミートボールの入ったスパゲッティを食べるシーンがある。犬達に夕食のご馳走を用意してくれた優しい料理人は、疑う事なきイタリア系だ。カンツォーネ"Bella Notte"を歌う大サービス付き。大好きなシーンだ。これもどこかでストーリーにしたい。

 

 今やどうでも良い話だが、2019年の大統領年頭教書演説の時、演説が終わった直後にナンシーペロシ氏がトランプ大統領の演説原稿を破り捨てるシーンが全世界に流されてしまった。

 

 あれはまずかった。西欧世界では、あの行為は「手袋を投げ捨てる」と言って、決闘の申し入れを意味する。

 

 2021年にトランプ支持者達がワシントンの国会議事堂を襲撃した際、襲撃者が「ナンシーはどこにいる」と言いながら議場内を歩き回る姿がYouTubeで配信されていたのを見て、伏線回収だと思った。

 

 が、トランプ繋がりでこの映画のことも思い出し、もう少し仲良くしろよ、とも思ったものだ。どこかで『気性の荒いお嬢様と悪徳不動産屋の物語』でも考えてみるか。

 

 

 モロッコのジャズシンガーOUM。モロッコ愛に満ちた曲と演奏が多い。

 

 モロッコはアラブ、ベルベル、地中海の海の民、スペイン・ポルトガルなど様々な民族と文化が交差した所。それを、アフリカから奴隷としてアメリカ大陸に送られ、奴隷解放後に仕事を求めてミシシッピ河を遡っていく過程で生まれたジャズで表現しているところに、「ジャズが故郷に帰って来た」的な物語を感じさせる。往年のフリージャズグループArt Ensemble of Chicagoが、シカゴから自分たちのルーツであるアフリカを望郷する思いで一貫されているのと好対照。OUMも好きなミュージシャンの一人だ。

 

 

アルジェリアのベルベル系少数民族カビール人の3人姉妹グループDjur Djura。長年パリで亡命生活を送っていたが、2010年頃に起こった民主革命『アラブの春』を経てようやく帰国が叶った。この話だけで一つストーリーが出来てしまう。曲の後半で聴けるザカリートが印象的。

 

ガンビアの歌姫Sona Jobartehの代表曲GAMBIA。曲の冒頭から流れる21弦ある「コラ」という楽器の名手でもある。この楽器は琴に似た音色で興味深い。

 ガンビアは、かつて奴隷が集められアメリカに向けて出港する港として知られたところ。

 長距離の移動は飛行機が当たり前の現代では、ロードムービーに船や車は使いづらいが、この曲は、船が港を出帆するシーンで使いたいと思った。

 

 中央アジア編では、ウイグル族の音楽から着想を得たいと思っている。ここは草原の道、山越えの道(シルクロード)、砂漠の道が交差するところだ。ウイグル族の歌と踊りはアラビア半島、インド、ペルシャ、トルコ、キルギスやタジクなど草原の民、など様々な要素が混ざっていて興味深い。ウズベク族とウイグル族は歌と踊りが似ているので、恐らくウイグルとウズベキスタンの間にタジク族が北から侵入して分断されたのだろう。

 

 

  Lagrimas Negras(黒い涙)

 

 キューバのド演歌。歌詞も良いので、これを手がかりにして、ストーリーを作りたいと思っている。この曲の持つ雰囲気は、キューバのドキュメンタリーフィルム「クバ・フェリス(幸せのキューバ)」のこのシーンが象徴していると思う。いい曲だ。

 

 

 歌は、失恋の痛みに耐えられないと切々と歌う涙の話。黒い涙を流すというのは、血の涙だと決闘や争いを意味するので避けたのだろうと推察する。

 

 そういえば、似たような歌詞を持つ曲だとDoobie BrothersのWhat a Fool Believesもそうだ。こちらは確か「彼女は別れたがっているが、男はそのことに全く気づいていない。周りの誰もが気づいているのに」と言う内容の歌詞だったと思う。

 

先ほどのOUMがこの曲を演っている。カッコ良い演奏だ。

 

 

 バルセロナで活動するラテン・ジャズグループBanda Ashe。You Tubeで偶然見つけた。Lagrimas Negrasの『サルサの課題曲』風の演奏がとても良い。バックのピアノが演奏するモントゥーノ、サビのカウベルなんか最高。もし、こんな路上演奏に出くわしたら足は止まるわ、チップは大盤振る舞いするわ、CDも買ってしまうだろう。

NYクイーンズのルーズベルトアヴェニューを歩いていたら、偶然クールなサルサバンドの路上演奏に出くわした。曲はキューバのド演歌、Lagrimas Negras。思わず足が止まる。人が集まって来た。我慢できずに踊り出す人もいる。NYで最もスペイン語が似合う街、クイーンズらしい光景。

なんていうのをSan Myshunoのストリートパフォーマンスを使ってSIMS4で作れないだろうか。

 

 最近アメリカのラテン音楽界で売り出し中のNIAも演っている。ラテン音楽の女王と呼ばれた故セリア・クルスとバーチャル共演。確かセリア・クルスは1993-4年頃に日本でライブやったかもしれないが記憶は定かでない。オスカル・デ・レオンの青山スパイラルホールでのライブはよく覚えているのだが。

 

 

 

  3)コパカバーナ物語

 

 

 バリーマニロウの往年のヒット曲を元にSIMS4でストーリーテリングプレイ。

 

 コパカバーナはナイトクラブの名前で、歌われているのはローラとトニーの悲恋の物語だ。元曲の2番は仕事と恋人を失いアル中になった哀れなローラの姿が歌われているだけだが、ハッピーエンドにしたかったので、次のように改変した。

 

失意のローラは東南アジアに渡り、ショーガールとして働く。苦労の末、自分の店を持つまでになった。ある日、黄金の寺院の不思議な力によって、ローラはゴーストになったトニーと再会する。それから二人は一緒に暮らすようになった。

 

 二人が働いていた店は、元曲では北ハバナと歌っているが、ラスヴェガスにあったと想定し、Oasis Springsのラトルスネークジュースバーを改造した。

 

 二人が住んでいたところはモハービ渓谷[1]と想定したので、Oasis Springsのベッドロック・ストレイツを使った。ローラが東南アジアのどこかに持つ自分の店はトマランのチーウィットチーワーカントウに建て、LittleMsSam様のMOD Live in Businessを拝借して自宅兼バーにした。

 

 2ヶ月ほど前にSIMS4でプレイ済みだが、記録もスクショも残していなかったので、再プレイが必要だ。

 

[1] モハービ(Mojave)渓谷はカリフォルニア州、ネヴァダ州、アリゾナ州の境にある涸れ谷。3州の法律が異なり、いざと言う時は州境を越えれば捕まらないので、昔から犯罪者や変わり者が好んで住み着いたとされる。MacOSのバージョン名Mojaveもここから付けられた。

 

 

 

 PCのバッテリーが調子悪いので、プレイも建築も出来ない。構想をまとめたり整理したりするのにはちょうど良いが、もう少ししたらそれも厳しくなるだろう。早くバッテリー交換すべきだ(と自分に話しかける。特質「正気でない」に毒されたか)