清流の女王 | ファンタジスタ・ファン

ファンタジスタ・ファン

t_fantasista氏の投資スタイルに勝手に共感する私的勉強記録

長大トンネルの出口にある高速道路のインターを下りて、そこからまた高い橋をわたりいくつもの隧道をくぐり一時間半近く分け入った村の山中に、ヤマメとイワナを釣らせてかつ食べさせてくれる店がある。

3日間の連休のうち、唯一晴れた好運の日曜日、「清流の女王」に逢いに行った。

 

いつもは無限にひっかかってくれるイワナの方は、亭主の話では10月から一気に気温が低下したことで活動が鈍り、まったく喰わなくなっているとのことで辛抱しても釣果なし。

しかし、その代わりになんとか店側の仕込みがしてあるらしく、これまではかけるのがとても難しかったヤマメの方は、いつもの女王の高慢さをかなぐり捨てて素人の針にも飛びついてくるようになっており、今日は少なかったがそれでも〆て26尾、子供も含めワゴン一杯で行った全員で食べるのにほどよい数だけは挙げることが出来た。

 

何より、風が涼しく陽はまだあつく、木の葉模様のしま目に赤い斑点をくっきり躍らせた美しい魚体が、つり上げた草むらでキラキラと跳ねるさまがたまらなく楽しくて、時間をすっかりわすれさせてくれた。

この店の客卓は巨木を半割にしてドカッと置き、その真ん中を四角くくり抜いて作った火桶に、自家製の炭をどっどと敷きつめて火をおこし、釣ったばかりの魚をさばいて一尾ずつ串にして出してくれる。

あとは勝手に、いろり端のバーベキューよろしく炭火で魚を炙り、五平餅を焼き、串のまま女王をほお張ってビールで溶かし、また炙ってはほお張って溶かし、その至福の味わいを川風に心地よく吹かれつつくりかえすのみでありました。

 

釣果が多いときなどは、谷から吹きあげる川風が冷たくなり裸電球が灯っているのにも気がつかないで、帰りの山道が真っ暗になるまで魚を焼きつづけて持ち帰ったこともあったっけ。

今日は持ち帰りはなかったけど、この魚は白身でくせがなく香りも絶品なので、レンヂで二度焼きしても、雑炊をこしらえても、はたまた甘露煮にしても、それぞれに楽しむことが可能なのです。

 

皆様の秋の連休はいかがでしたか?