ロケットニュースからの記事です。
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「昔、楽器をやっていた」けど、今ではピックもスティックも持つことがないという “元バンドマン” のみんなに伝えたいことがある。ゆっくりでもいいから、楽器に触れ。楽器を学ぶ環境を持ち続けて欲しい。
「忙しいんだよな~……」という声が聞こえてきそうだが、今でなくてもいい。楽器を演奏していくことが、長い目で見て人生に多大なるメリットを与えるらしいのだ。家の押し入れにしまってあるギターを、今のうちに引っ張りだしておこう。
・聞くだけじゃなく
音楽は人々の心を癒し、時に気分を高めたり和ませてくれたりもする、日常生活に “なくてはならないもの” のひとつである。だが、音楽がもたらす影響はそれだけではない。実は聞くだけでなく、楽器を演奏することでも有益な影響を得られると、健康関連情報サイトの「MINDBODYGREEN」は伝えている。
【楽器を学ぶ(演奏する)ことで得られる良い影響】
1. 音楽教育はスポーツや演劇、ダンスと比べて認知および非認知能力を2倍以上向上させる
ドイツの専門家の研究によると、音楽教育は認知能力を向上させるだけでなく、物理的なスキルとパフォーマンスを向上させることが判明した。
2. 音楽教育を終了した後でさえ、トレーニングのポジティブな影響は数年持続する
神経科学ジャーナルの2012年の研究によると、直接「音楽的な訓練」を受けたのが過去であっても、長い間その恩恵が持続するとのこと。子供のときに楽器を学ぶと、歳を重ねるごとにポジティブな影響を受けるという。それは、認知機能低下やアルツハイマーなどの病気に対する耐性も含むそうだ
3. 音楽を学ぶことは、学問的な成功に貢献する
カリフォルニア大学のジェームズ・カテラル博士が、学生2万5000人を対象に調査をしたところ、音楽と芸術を学ぶ生徒は成績が良いうえに欠席が少なく、地域のボランティアにも積極的に参加していることがわかった。
4. 高齢の楽器奏者は精神的に研ぎ澄まされている
高齢の楽器奏者は、楽器を演奏しない人に比べて認知テストの結果が良い。エモリー大学のブレンナ・ハンナ博士が、60~83歳の70人に対し「新しいことに適応する脳の能力テスト」を実施したところ、楽器演奏者は最高レベルのスコアを記録し、楽器を演奏しない人よりも優位な結果となった。
・音楽を作ること
これら、さまざまな利点があることを伝えているのだが、次のようにも説明している。「楽器を学ぶもっとも重要な理由は、美しいメロディーを作るという、単純かつ純粋な喜びのためではないか」。たしかに、良し悪しはあるにせよ、自分なりの旋律を作り出したときの喜びは、何ものにも代えがたいだろう。
とにかく音楽は楽しいものだ。楽器奏者にとって、没頭している時間は至福とも呼べる。上手い下手に関係なく、音とひとつになれる瞬間は大変心地良いものである。今は時間がないという人も、いつかその時間を見つけて、再び楽器と向き合ってはいかがだろうか。
参照元: MINDBODYGREEN(英語)
Photo: Rocketnews24