日々、人の心には様々な思いが浮かんでは消えてゆく。


 考えてみれば、これは実に惜しいことだ。その思いの中には、後に役に立つものもあるだろうし、仮に役に立つことはなくとも、「あの頃はこんなことを考えたのだった」と懐かしい思い出になり得るものもあるだろう。
 

 また心の思いこそが自分自身であるとするならば、心に去来した思いを書き留めておけば、それは自分が何者かを知るうえで、よい資料にもなるだろう。ペンとメモ帳があれば、自分を知ることができるというのはいささか単純すぎるかもしれないが、案外これは真理ではないかと思う。
 

 やはり修養のためには、日々の思いは自然に消え去るにまかせるのではなく、文字に残しておく方がよい。