そんなに遠い昔ではない頃、あるところに・・・
鞄にモノをうまく収納できない女性がいました。
毎日、ボロボロの籐のカゴ鞄に、何でも詰め込んでいました。
ある日のこと、私はその女性と飛行機でで
隣り合わせの席になりました。
私は彼女のボロボロの籐のカゴ鞄を見て、
整理せずに何でも入れられるバッグを彼女にプレゼントしました。
すると、彼女はたいそう喜んでくれて
その鞄を使うようになりました。
私の名前は・・・
ジャンル=ルイ・デュマ=エルメス。
彼女の名前はジェーンバーキン。
私がプレゼントしたその鞄はバーキンと名付けられました。
これは、有名なエルメスのバッグ、
バーキンにまつわる伝説的なお話ですが、
私が言いたいのは、
このようなストーリーを語るときには順番があるということです。
ここに書いたものはピクサーピッチと呼ばれています。
ピクサーとは、1995年の「トイ・ストーリー」から始まり、
世界中で76億ドルもの興行収入(2013年現在)、
1作品当たり5億8500万ドルという驚異的な数字を挙げている
アニメーションスタジオです。
アップルのスティーブ・ジョブズが早い時期に同社に投資したことでも有名ですね。
今ではウォルト・ディズニーの傘下に入り、
最新作では「リメンバー・ミー」が日本でも大ヒットしています。
このピクサーでかつてストーリーを担当していた
エマ・コーツ氏が、ピクサーの魅力を読み解く過程で、
引き込まれずにはいられない新しいピッチのひな型を創造しました。
ピクサーの映画はどれも物語の形式において、
同じDNAを共有しているとコーツ氏は主張しています。
それはストーリーテリングの深部構造のことで、
先のエルメスの文章は、この順番で書かれています。
これを商品の宣伝に応用してみましょう。
あるところに…(お客様の特徴)
毎日…(現状の生活や悩み)
ある日のこと…(商品を切った知ったきっかけ)
そんなわけで…(商品のウリ)
すると…(素晴らしい体験、変化)
そしてついに…(さらなる豊さ)
この順番で穴埋めするように
ストーリーを作れば良いのです。
ピクサーピッチについては
「人を動かす新たな三原則」 ダニエル・ピンク著
に書かれてありますので詳しく知りたい方はぜひ読んでみて下さい。
もしあなたが、ブログやメルマガで、読者をひきつける
ストーリー仕立ての文章を書きたいときには
この順番で書くとよいでしょう。