「ひび割れ」


 所有するハナムラSG(平成元年製造)ヘッドのペグ付近にひび割れが生じました。何年か前にヘッドをぶつけたのが原因かもしれません。人間でも 30歳くらいになると身体の変化や不調など少なからずもありますように、楽器もやはり生き物であるという事を痛感いたします。

 

 大事に至る前にと、急遽里帰りしての養生となりました。店主は「自分が生きているうちは心配しなさんな、なんでも治してあげるよけっけっけ」と、高笑い。持ち主としては世界の終わりのような心境です・・。

 

 

 

 通常のひび割れでしたら、亀裂に専用ボンドを流し込み圧着/磨き/再塗装の工程になりますが、折れたりひび割れした箇所は弱くなっていますので、強度を増すために補強材を入れる事になりました。亀裂の周辺をざっくりとえぐり取り、そこに補強材(ホンジュラスマホガニー材)を埋め込むというかなり手間の掛かる作業になります。

 

<ひび割れ個所をざくられたの画>

 

 

<補強材を埋め込まれ、すっかり完治した喜びの画>

 

 

店主、法隆寺の柱を例えて申しますには。割れをわざといれて何千年経っても柱が折れないように工夫したのが、匠の知恵、だそうです。「このSGも益々鳴るっつーことよけっけっけ」励まされているのですが、なんとも・・、すべてはわたしの不注意です。はい


柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺