私は高校中退だ。


遥か昔、20年も前の事なのに未だに

『高校どこ?』

と聞かれると咄嗟に嘘をついてしまう。


卒業してないのに

それも行ってもない高校を卒業したことにしている。


本当のことを言いたいのに咄嗟に嘘をついて後々、後悔と罪悪感に苛まれる。


それでもたまに、中退したと本当の事を言える時もある。しかし、そうなると、この人には卒業と嘘をついて、あの人には中退と言って、どこかでその人達が繋がっていたら嘘がバレてしまう。


元々殆どない信頼がさらになくなる。


嘘がバレないか日々怯える。


この歳になって気が付いた。

小さな嘘でも、いずれ自分を苦しめると。


これからは、恥を忍んで本当の事を言うと決めた。


今まで嘘をついていたことがもしバレて、冷たい視線で見られても、それはもう開き直るしかない。

今からではどうにも出来ないから。


ただ、これからは嘘はつかないと反省して、この先の人生を生きていく。


本当の事を言って一瞬恥をかくのを我慢すればいいだけだ。

嘘をついて日々怯えるよりは良い。


嘘をついた過去は変えられない。

だからこれからの未来は、事実を言って正々堂々生きていく。