アートなど一切興味のなかった高校時代の僕に、衝撃を与えてくれたアーティストの一人がバスキアだ。彼は、1988年にこの世を去ってなお現代のアート、ファッションに多大なる影響を与えている。また、9月21日〜11月17日まで森アーツギャラリーでバスキア展が行われてる。そのため、今回はバスキアとファッションについてまとめていきたい。
①生い立ち
プエルトリコ系移民の母親とハイチ系移民の父親の間に生まれ、幼い頃から絵を描き、芸術的な活動をするように母親から奨励されていた。17歳の頃から地下鉄、スラム街地区の壁などにスプレーペインティングを始める。活動を続けるうちに高校を中退したバスキアは、Tシャツやポストカードを売りながら生計を立てていた。徐々に彼の描いたスプレーペインティングは評価され、キース・ヘリング、バーバラ・クルーガーの助力でニューヨークで個展を開くようになった。また、絵の中に描かれる王冠は彼のトレードマークとなっている。薬物の過剰摂取により1988年8月12日に他界。
②作品とファッション
バスキアの作品は常に相反する二つの要素を持っている。黒人と白人、富と貧困。それは見るものに同時に二つの解釈を与えた。それは彼のファッションにも通じている。薄汚れたTシャツの上に、アイビーリーグ風のジャケットを羽織ったりしていた。他にも、いかにもプレッピー風なオックスフォードのボタンダウンシャツを着ても、襟のボタンは外したままで、それにガリ勉っぽいピーナツ色のニットタイを結んだりしていた。オーダーメイドで知られる高級ブランドで買っただぼだぼのスーツを着て、しかも裸足で絵を描いたこともあった。
③現代ファッション界に与える影響
世界的で最も有名なファッションアイコンの一人、カニエ・ウエストはバスキアのポートレイトTシャツを着たり、リーボックとのコラボなどもある。カニエの、ラグジュアリーブランドにスニーカーを合わせるスタイルはバスキアからのインスピレーションとも言われている。また、相反するメッセージを持っていたり、メインカルチャーへの反骨心を持つブランドとの親和性は高く、様々なコラボ商品が出ている。クラッシックなスーツとカジュアルなアウトフィットを組み合わせるバスキア独自のファッションセンスは、今なお多くの男性の心を掴んでいる。
④まとめ
バスキアにとってファッションは、アートに並ぶ自己表現の方法だったのだろう。そして彼の持つ反骨心とメッセージの一貫性には魅かれるものがある。メインカルチャーへの反骨心は時に、強いエネルギーとなる。既存の社会システム、常識に疑問を投げかけ、そのメッセージを伝えようとした。いつの時代もそんな異端児が人々の心を動かし、影響を与え、社会を変革していくのだろうと強く感じる。そんなバスキアを肌で感じるため、森アーツギャラリーへ足を運んでみてはどうだろうか。
掲載画像(上から)
森アーツで撮影
https://cragycloud.com/blog-entry-988.html
参考文献
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/20049