ある日、僕は午後になったあたりから体に妙な違和感を感じていた。

しかし霊感の全く無い僕は、体調でも崩したか程度に思っていた。

道行く人がたまに僕のほうを見てびっくりするので、顔色が非常によくないのかもしれない。

こういうときは早く寝るに限る。

その日は10時前には寝た。

翌朝、しっかり寝たはずなのに体の違和感は消えていない。朝の準備を済ませた後でふと

昨日は携帯を鞄に入れたっぱで、一度も出さずに寝てしまったことを思い出し
あわててチェックしてみた。

…留守電が12件、しまった、誰か緊急の用事でもあったのか、とりあえず再生せねば

「私メリー、今○○駅にいるの」

「私メリー、今○○高校前にいるの」

「私メリー、今あなたの教室の前にいるの」

「私メリー、今あなたの後ろにいるの」

「私メリー、さっきからあなたの後ろにいるの」
「私メリー、あなたの後ろにいるんですけどー、あの、もしもーし」

「もしもーし、メリーですよー!いい加減気づいてくださーい」

「メリーです…取り憑いた人が鈍すぎるとです・・・めりーです・・・」
「うー、一日一回くらいは後ろ見るもんでしょ普通!」

「ほらほら、あのおじさんとかめっちゃ私のこと見てるよ!」

「な、なんでうつ伏せで寝るの!いいかげんこっち見なさいよ・・・」

「えぅ・・・ぐすん・・・・メ、メリーです、この録音きいたらでいいので後ろ見てください」

俺は背後の気配を確認すると、振り向かないで家を出て大学へ向かった。

その日俺の背後には、半べそかきながら後ろをついてくる小柄な少女がいたらしい。