土曜日尊敬と謝罪イラチと言う欲望⑥

①人との付き合い、これを非常に重視する人でした。

②曲がった事は、絶対にやらない人でした。

③自分の娘、息子、孫には徹底的に甘い人でした。

④助けを求められると絶対に助ける人でした。

⑤時々お酒(特に焼酎)に逃げる人でした。

最終回。これは、ノンフィクションです。

僕は、何かを踏み外し、この東南アジアの落とし穴に嵌りました。

僕はこの25年の間に次から次へと、その国の人の怒りに触れる事をやり、それを逐次モニターされて居ました。そのアイデアは、この間亡くなった先代の王様或いは側近によるもので、僕がスケープゴートになる事により国民の王室に対する人気を保持させるのが目的でした。その狙いは、当然、此の先が不安な人気の無い今の王様の未来にも用意されたものだったのです。スケープゴートは1人なのか、多数いるのか知りません。しかし、その為に、愚かな外国人をピックアップし、その人間の半生すらいじる事の出来る王様の力を見せつけました。

多数の国民が強力し、(無償でと言いたいところでしょうが)、多数の日本人を含む外国人にも協力を要請しました。スケープゴートを仮にと呼びましょう。重要な事は、25年間、がこの事に気が付かない事でした。そして、先代の王様が亡くなった時に、それに気付かせる事でした。これは、見事に実行に移され、この王室の前では何人も、嘘がつけない、この国の国民を馬鹿にする事は出来ないという事を見せつけました。7000万の国民誰もが、反体制派の亡命中の元首相迄もが、この守秘を守りました。最初は小さな出来事だったでしょう。でも、それは次第に力を持ち、何者も犯す事の無い聖域となったのです。

日本は、この国とは昔から友好関係にありました。この協力要請を受けた時、本来なら、日本のパスポートを持っている日本人の安全を、優先すべきだったかもしれません。でも、その時はその国と日本は、経済的友好関係にずっぷりと浸かっていました。

「タイにおける在留邦人は81,187人（2020年10月）、タイへの日本人渡航者は約35万人（2020年）、泰日協会学校生徒数は2,350人、シラチャ日本人学校生徒数448人（2021年4月）に上り、世界有数の在留邦人社会を有している。一方、日本における在留タイ人は54,409人（2021年12月）、日本へのタイ人渡航者は年間約22万人（2020年）に上る[71]。」Wiki

そして、日本の企業の生産拠点がどれだけあるか考えれば、腐った日本人の若者の1人や2人の人生がどうなろうと構わないが本音だろう。しかも、その国は、彼がその国にいる間は絶対に死なせないと約束しているんだから、人道的面からもよしとしようとなった。これが高度な外交的判断というやつである。家族を説得し、(家庭崩壊状態のの家族は以外に説得が容易でした。)密かに、日本人の協力者、協力企業を募り事は進みました。実際には、日本人も全ての事実を知らないのですが、そこは高度な外交的判断で乗り切りました。

ただ、1人、それに従わせる事が出来ない人が居ました。S氏です。S氏は、を騙す為に、途中で亡くなる予定でした。ところがプロジェクトの最中に本当に病気になってしまいました。もし、このまま居なくなったら、後では、「ああ、あいつもこの計画の一味だと感じるに違いありません。」それに彼の性格から言っても、引き受けた事を最後までやらないのは、許せません。人に迷惑をかけず、最も効果的にこの任務を果たすには、本当に死ぬしか無いのです。あの性格から、間違いはありません。

彼は、何ヶ月も異国のICUに居て消耗していましたが、それでも数日に一度の僕の看病を受けました。そして、いよいよまずいという時に、飛行機のチャーターで日本に帰ったのです。が絶対にネコババするであろう60万円を、に渡して。そしては、この行為によって決定的に、日本人の味方すら失ったのです。S氏が亡くなった事によって、この日本政府の高度な外交的判断に反対する人は居なくなりました。日本に帰った時の僕を見る若者の目は忘れられません。