そして最も多い光景では、私の部屋が大きな

ホテルの部屋みたいで、綺麗な木目、カウンターのようなところ。

そこに、腹ばいで、食事をする。

そんな部屋がちょっとずつ、違う風景で、

夜は数十階から、その日によって部屋が違ってて

とても埼玉とは思えない街の高層が見える。

こんな美しい夜景のなか、母は一言も景色には触れず、

食事の時だけ姿を現す。

全体の5割は、こうした高層だった。