最後の力を振り絞って救急車を呼び、
ギリギリのところで二階から一階へ、
大きな管を抜け、滑り出され
頭やら胸、足などが少し溶けて、
お菓子の細工がところどころ形を失った姿で
助けられたのだ。
後で、心臓のあたりを見たら、薄い胸が凹み
もう少しで心臓が見えそうであった。
その数日前から、右目が見えず、
私を取りまく全てが現実的に重みを持って、
もうそろそろ目を覚ましたらどうだと……
全ての汚れが、痛みとなって自分に突き刺さり
そうお前は動けないんだ。
この感覚の帰着を逃せば
永久にサヨウナラだ。
僕はあの家を逃げ出した。