※過去記事


真っ白な輪郭だけの世界の
真っ白な駅で
ずっと待ってた

誰かが来て
電車で俺をどこかへ連れて行ってくれた

外国みたいな、静かな小高い丘の上の真っ白な家
小奇麗な庭

でも輪郭だけの真っ白な世界



連れてきてくれた誰かは

「もう何も、心配することはありません」
「これからのことも、残してきたものも」

そう言い、連れてきてくれた人は去って
外ではその人が、俺には気付かずに
気持ちよさそうに草木に水をあげてた

そこだけは、色があった

気付いたら、俺にも色が戻ってた



ずっとその人を、見てた