Flower of Terror

Flower of Terror

春よ。青い春よ。僕はまだそこにいますか。

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カペラの鳴き声で目が覚めた

シリウスは僕を朝へと連れ出して

メシエと共に宵を眺めた

スピカは乞うて僕と眠った



月は誰にも等しくて

リゲルはいつまでも僕をからかった

みんなすべてが笑顔を向けて

この世のすべてを愛そうと決めた



プロキオンですら痛みを知っていた

涙をもつのは僕だけじゃなくて

みんなすべてが歪んでいた

その中に一つの光を見た



君はいつまでも明るくて

アルギエバよりもポラリスよりも

美しく僕の前に咲き続けた

次はしし座流星群を見に行こうか













「安寧」Op.4より「星と君と命の華を」
大人になるのが怖いって

貶すように毎日を笑った僕たち

少しずつ見えてしまった

ずっと先のバッドエンドが



何年と経ったら

君はどこかへ居なくなった

募る卑しさと孤独を孕んで

眠るように名前を呼び続けてた



いつかは来る最後を知った

最後に見たのは

呑み込まれるほど綺麗な夕日で

僕はたぶん、その日死んだ



何も怖くなくなってから

急に君を思い出して

届かない声を上げながら

二人で手をつないで帰る夢を見た













「夕景ソリタリカ」
祈りは無力だ

愚かな自分を定義するように

時間と心理は等しく残酷で

またそれが己を惑わせる



何かを得ても影に憑かれ

ずっと危機的な感覚を言い渡す

そこにあるのは誰かの声と

自分の細い脚だけで



繰り返して聞こえる耳の奥に

ずっと嫌な言葉を跳ね返している

何にも思えない己の体が

卑しさを飲み干して



病める時も異能は無力で

言葉も常も平等な故

悪意のない正論が

固執を阻む毒となりえて










「Flower of Terror」 Op.11より「Amnolys」
月が綺麗だから僕は死ぬ


星が見えるから君も死ぬ


なにも当たり前のことなんて無くて


最初からわかってた運命のおはなし


誰かがそう望んだように


死体の僕は恋をする


何も見えない、何も聞こえないと


音を上げ、闇を掻き分けながら


魘されるように恋に堕ちていく













「不安定な君」
今日を飛び越えて

未来にあるものを待つ

誰が見ても滑稽で

誰が見ても神聖で



忘れた日は一度もない

忘れることなど出来ないのだから

あなたが本当にあなたであることを

誰も証明できないように



間違えたことを言うならば

それは正解であるということ

誰も彼も間違いを求められなくなり

人は歴史を退化させる



ずっと前から思っていたことを

今になって言の葉にする

間違ってなどない

間違いなどないのだから













「かたち」