続きです!
※相櫻
※BL
自己責任でお願いします🙇🏻♀️
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「フフ、起きた?」
何度となく絶頂を迎え気絶するように寝落ちた俺は、目を開けると愛しいその腕に抱かれていた。
悪戯に胸の先を弄る雅紀の指がくすぐったくて、甘えるようにその首元に顔を寄せた。
「お腹空いた?ご飯にする?」
「ん〜、今何時?」
「2時。もちろん夜のね。」
「じゃあ、寝る。」
「はいはい。」
布団の中でお互いの肌を寄せ合い抱きしめられながら眠るこの時間を堪能することにした。
目の前にある雅紀の鎖骨に唇を当てると、おでこにキスを返された。
「雅紀って、俺に甘いよな…」
「そう?」
「何でも聞いてくれるし、いつも俺の欲しいものをくれる。」
「そうかな?」
「…お金、いつか働いて返すから」
「いいってw 」
「良くない。てか、あれいくらあったの?」
「1000万くらい?」
「えっ!?」
その額に驚いて思わず雅紀と距離を取ったら、それを許さないというように再び引き寄せられた。
「どうせ使い道なんてなかったし、翔ちゃんが手に入ったんなら安いくらいだよ。」
「いやいや、高いでしょ…」
「俺はあなたが無事なら命だって惜しくないけどね〜」
「雅紀…」
「翔ちゃんがここにいてくれるだけで俺は幸せ。」
「俺も。」
擦り寄って雅紀の胸に顔を埋めると、ぎゅっと抱きしめられる。
「ねぇ、翔ちゃん。もう一回していい?」
「…えぇ、」
「優しくするから〜」
「俺、結構眠たいんですけど…」
それは本心で、癒されたとはいえ疲れてる体は睡眠求めている。
そんな俺にニコッと微笑んで鼻先にキスをされた。
「翔ちゃんのこと感じたいんだけど、ダメ?」
子犬みたいな綺麗な黒目にお願いされたら断れるはずなんて当然なくて、
「1回だけだぞ…?」
結局押し負けてしまうんだ。
「ありがと、翔ちゃん。」
「あ、待って、水だけ飲みたい。」
「分かった!まってて。」
おでこにリップ音を立ててキスをした雅紀が寝室を出ていく。
なんとなく見上げた高い天井。
ふと、改めて綺麗な家だなと思った。
…てか、1000万ってやばいよね
弁護士ってそんな儲かるのか?でも確か雅紀は1年目で…
この家も家賃高そうだけど、それによく見たら壁の絵とかも高級そうだし、家具も外国製のものばっかだよな…
一体、何者なんだろ…
見知らぬ君の知らない部分が知りたくなってしまう。
石油王の息子とかだったらどうしよ…
なんてバカなことを考えらながら抱かれていたら、
「あ、俺以外のこと考えてるでしょ?」と
不貞腐れて言われたけど、
残念ながらあなたのことを考えていて、
「雅紀のお父さんって石油王?」
なんてとんちんかんな質問をしてしまった。
今もまだお互いのことはほとんど知らない。
どこで生まれてどんな風に育ったのか、なにが好きでなにが嫌いか
なにも知らないけど、
これだけは知ってる。
俺たちは愛し合っている。
情報なんてなにもいらない。
気持ちが通じ合っているのは確かだから。
運命で繋がった俺たちはこれからお互いの何を知ってもきっと大丈夫。
そんな気がして、また今日も雅紀の腕の中に俺はいる。