主要登場人物
ファスト・アルス(17)
帝国領内の辺境の村からやって来た本作の主人公。
帝国最強の五剣になる為に帝都へと旅をしている。
少々頭に血が上りやすいが正義感に溢れる若き青年。
故郷には母と弟がいる。
父は十数年前に旅に出て以来、行方知れずとなっている。
武器:片手剣
ジズ・マクスウェル(14)
所謂男の娘、基本わがままで少々頼りない。
錬士となる為ファストと共に旅をしている。
戦士に成り立ての割には身なりが整い気品を感じさせる。
武器:短剣
マキス・サウロ(18)
帝都ナビゲーターを自称する赤髪のおかっぱでサングラスをかけたいかにも怪しい男。
帝都に関することは熟知している。
ジャック・タルトナ(25)
錬士の中でも八年連続で最弱になり続けている。
別名「錬成院の登竜門」
お調子者でお人好し、誰とでも仲良く出来る。
武器:ハンマー
設定資料集
注意事項
ファスト:♂
ジズ:♀
マキス:♂
ジャック:♂
錬士男1:♂
ナレーション:不問(兼任可)
__________
ナレ:果ての先 ~memories~ 第1話 出会い
ナレ:帝国に近いとある森、
二人の少年がひたすらに歩いている。
ジズ:ファストー、疲れたよー・・・
もう二時間も歩いてるよー?
ちょっとは休もうよー
ファ:うるさい、チビ助・・・
どうせ休んだら休んだで
うだうだ文句ばかり言うくせに
ジズ:なんだよチビって・・・別に・・・
ボクはホントのことしか
言ってないじゃんか・・・あんぽんたん
ファ:今日中に帝都に入れなかったら
ジズの晩飯抜きだから
ジズ:なんで?!
ボクのせいじゃないじゃん!!
ファ:なんで?!じゃない!
お前の休憩が長すぎるせいで
全く進んでないんだぞ!
ジズ:一回に歩かせる時間が長すぎるんだよ!
ファ:お前の歩くペースが遅いからだっ!!
ジズ:もぉー!!これじゃ進まないよー!!
10分だけでいいから休憩しよ?ね?ね?
ファ:・・・(ため息)
ジズ:・・・・・・ね?
ファ:・・・10分だけだぞ・・・
ジズ:やったぁー!!わーい!
ファ:たまたま川が近くで良かったなー(棒)
ジズ:そうだねー♪きーもちぃー♪
ファ:そういえばさ
ジズ:なに?
ファ:ジズは一応、帝都出身なんだったよな?
ジズ:そうだよ?
ファ:錬士になりたい理由は聞いたけどさ、
帝都生まれのお前が
なんであんな山奥にいたんだ?
ジズ:あー、言ってなかったっけ・・・?
確かに錬士になりたいなら
帝都にいればそりゃなれるだろうけどさ
ボクはそんなに強くないし、
どうせなら修行して強くなってから、
錬士になろうと思ってね。
ファ:ふーん、それであんな山奥にねぇ・・・
ジズ:そ、まぁ、遅くなりすぎてもダメだから
とりあえずは登竜門くらいは倒せないと
いけないからね。
ファ:登竜門?何だそれ?
ジズ:知らないの?!
今までたくさんの戦士が
錬士になる為にその人に挑んで
立派な錬士になっていったんだよ?
ファ:そいつを倒せないと
錬士にはなれないのか?
ジズ:え?
ファ:え?
ジズ:マジで言ってる?
ファ:マジで言ってる
ジズ:・・・(ため息)・・・いい?
錬士はね、ただ帝都中心の
錬成院本部に行って錬士になりたいです!
・・・なんて言ってもつまみ出されるだけだよ?
錬士になるには錬士からの
推薦がなきゃいけないの
ファ:へー、知らなかった
ジズ:先が思いやられるよ・・・
ファ:時間だし、とりあえず行こうぜ
もう今日は休憩しねぇからな
ジズ:・・・そんなぁ・・・
ナレ:そんなこんなで日は暮れ
今日もまた彼らは野宿することとなった
翌日、帝都外壁門付近ーー
二人が門に向かい歩いていると明らかに
怪しいとしか言いようのない男が
近付いてきた。
マキ:やぁやぁ、戦士くん達!
帝都は初めてかな?
それにもしかして、錬成院に御用かな?
それなら僕が案内してあげよう!
ジズ:いえ、結構dーー、
マキ:まぁまぁ、
そんな遠慮することはないよ!
帝都のことなら僕以上に知ってるものなんか
この帝都にはいないんだから!
ジズ:だから結kーー、
マキ:あぁ、すまない。
自己紹介が遅れてしまったね。
僕はマキス、マキス・サウロ。
帝都ナビゲーターをしている。
ファ:あの、ひとついいですか?
マキ:なんだい?
帝都のことならなんでも聞いてくれ!
ファ:いえ、案内は結構です。
こいつが帝都生まれなんで・・・
マキ:そう・・・か・・・
でも、帝都生まれなだけで
深いところまでは知らないだろう?
僕ならショップで売られているモノから
錬成院の内部事情、果ては五剣の事まで
なんでも知っているよ?どうだい?
僕の有用性、わかってもらえたかな?
ジズ:は、はぁ・・・(汗)
ファ:まぁ、確かにショップの状況とかは
把握しておいて損は無いし、
内部事情も下位にいるうちは
情報が必要かもな・・・
マキ:だろ?だろう?
情報は戦闘において
最も優位に立つために必要なモノだ。
それを提供出来る僕が力を貸すんだ
君達が錬成院で上へと行ける可能性は
高くなる。
ジズ:確かに・・・
ファ:でも、俺達にしか得がない・・・
俺達についてあんたに何の得がある?
情報がそんなに有用性のあるもので
あんたは情報を売りにしている。
その情報をあんたが
叩き売りしたところで
俺達にその有用性があるのか?
マキ:ま、そうなるよね・・・
冷静な判断だ、素晴らしい。
素直に称賛しよう。
そして、質問にお答えしよう。
確かに情報の価値は計り知れない、
それを君達に与え、求める見返りは・・・
ジズ:見返りは・・・?
マキ:君達が上へと登り詰めて、
五剣へとなることだよ!
ファ:ちょっと待て、そんな夢物語!!
マキ:おや?では何故、帝都中央にある
錬成院まで来て錬士になるのかな?
錬士になる者は形はどうあれ
皆、帝国最強の五剣を
目指したいものではないのかな?
ファ:確かにそうだが・・・
マキ:どれだけ時間がかかってもいい・・・
出会ったばかりで
信用されないのも承知している。
だが!ボクには夢があるんだ。
ジズ:・・夢・・・?
マキ:そうさ!僕が案内をした錬士が
ランク戦を勝ち上がり、五剣となる・・・
そしてその口でこう言ってもらうんだ
「俺が五剣になれたのはマキスのお陰だ」って
ファ:そんな事でいいのか?
ジズ:でも・・・でも!
そんなの自分でやればいいじゃん!
マキ:そうしたいのは山々なんだけどね・・・
だけど、僕はお世辞にも
身体が丈夫とは言えないからね。
僕は前線に立つよりかは、
サポートに回るほうが性に合ってるし、
人生、ときには諦めが肝心ってやつだよ。
ジズ:・・・・・・あやしい・・・けど・・・
ファ:・・・悪い話でもないし・・・な・・・
マキ:どうだい?
なんならお試しでもいいけど?
ファ:・・・(ため息)・・・
じゃあ、とりあえずお試しで頼む。
マキ:オッケー!じゃあ、契約成立ね!
ジズ:・・・大丈夫かなぁ・・・?
ナレ:新たに仲間を加えファスト達は、
帝都の門を潜り抜ける。
マキ:ところで君達、もう推薦人の
見当はついているのかな?
ファ:推薦人?
・・・あぁ、ジズが言ってた・・・
ジズ:うん、ボクは登竜門の人が
いいかと思うんだけど・・・
マキ:あぁ、彼か・・・
確かに彼なら丁度いいかもね。
ファ:登竜門って一体誰なんだ?強いのか?
マキ:彼はジャック・タルトナ
強さは・・・まぁ、うん・・・
そんなでもないかな?登竜門の由縁は・・・
彼が錬士の中でも最弱だからだよ。
ファ:最・・・弱・・・?
マキ:そう、彼は数多いる錬士の中でも
常に最弱の位置にいる錬士なんだ。
手っ取り早く錬士からの推薦を得るには
錬士と闘って認めてもらうことが
一番の近道だからね。
登竜門って大層な名前だけど、
とどのつまり彼が錬士になる為の
一番の近道ってわけさ。
ファ:そのジャックって奴、大変だな・・・
マキ:それについては同感だよ。
けど、利用出来るものは最大限利用する。
それが五剣になる為なら尚更さ。
ジズ:じゃあ、早速行こうか!
登竜門のところに!
ファ:おうよ!パパッと推薦貰っちまおうぜ!
マキ:彼なら帝都中心部、
錬成院南支部の大橋門前にいるはずだよ。
彼の担当する場所だからね。
ナレ:マキスに案内され、
外壁門から三十分程歩き大橋へと向かった
男1:なんだお前ら?
見たところ錬士じゃねぇな、
ここに何の用だ?
マキ:怪しいもんじゃありませんよ
タルトナさんに用がありましてね。
ジャ:(深いため息)・・・また俺かよ・・・
これで今月何回目だよ・・・トホホ・・・
男1:よっ、人気者は辛いねぇ!登竜門っ!
ジャ:フォローにもなってねぇぞ・・・
男1:じゃあ、早速始めるか?
勝負は一対一、相手を戦闘不能
もしくは降伏させた方が勝者だ、いいな?
ジズ:うん!
ファ:オーケーだ!
男1:ジャックは?
ジャ:もう、どうにでもなれだ!
男1:戦闘開始!
ジズ:じゃあ、ボクから行くね!!
ジャ:おう!かかってきな!
ジズ:てぇぇぇい!!
ジャ:うぉぉっとぃ!
すばしっこいな、ったくよ・・・
次はこっちから、行くぞ!
ナレ:ジズとジャックの激しい打ち合いが続く
少しばかり、ジズの方が優勢のようだ
ジズ:(息切れ)・・・おじさん、ホントに最下位?
ジャ:(息切れ)・・・おじさんじゃない・・・
これでも俺は25歳だ・・・
ファ:見えないな・・・25には・・・それにしても
ファM:ジズの闘い方・・・なんか・・・
ジズ:そろそろ終わりにしよっか!
ジャ:んな簡単に終わってたまるかぁー!!
ジズ:そんな大振りじゃ当たらないよっ!!
これで終わりぃっ!
ジャ:・・・くっ!・・・ま、参った・・・!
ナレ:ジャックの大振りな攻撃をかわし、
首筋に短剣を突き付けるジズ。
ジャ:くっはぁー!大したもんだな、ホント
お前さんひょろっこいから
ついに初勝利かと思ったんだけどな・・
男1:残念だったな、ジャック( 笑 )
これでまた連敗記録更新だな!
ジャ:うるせぇーよ、
そんな不名誉なもん、いるかっつーの!
ジズ:じゃあ、これでボクは
おじさんに推薦してもらえるんだよね?
ジャ:だーかーらっ!おじさんじゃない!
まぁ、暗黙の了解ってやつだな
負けたってのに
推薦しないわけにはいかないからな。
ジズ:やったぁー!!わーい!
ファ:子供かよ・・・(汗)
男1:お前さんは?やるんだろ?
ファ:ん?あぁ、でもいいのか?
休憩とかしなくても・・・
男1:だとよ、ジャック・・・いるか?休憩
ジャ:いんや、いらない
こう見えても体力には自信があるんでな
ファ:そうか、なら始めるか。
ジャ:おう!さぁ!!
どっからでもかかってこい!
男1:じゃあ、ルールはさっきと一緒だ。
戦闘開始っ!
ジャ:先手必勝ぉっ!!おらおらおらぁ!!
ナレ:戦闘開始と同時に重たいハンマーを
振り回しファストへと攻撃するが、
全ての攻撃を易々とかわすファスト
ジャ:避けるだけじゃ、勝てねぇぞっ!!
ファ:あぁ、わかってるよっ!
次はこっちから行かせてもらうよっ!
ナレ:次の瞬間、ジャックの視界から
ファストの姿が消えた。
ジャ:んなっ!後ろかっ!!
ファ:おらぁっ!
ジャ:んぐぅっ!!
ファ:ジズの言う通りだな・・・
あんたホントに最下位か?
アンタほどの実力で最下位なら
上とかマジでバケモノじゃん・・・
ジャ:伊達に毎日修練してねぇからな
ファ:次で決める!
ジャ:やってみやがれぇっ!
ナレ:刹那、ジャックが振り下ろしたはずの
ハンマーが宙を舞っていた。
男1:・・・・・・!!
マキ:・・・・・・!!
ジズ:・・・・・・!!
ジャ:・・・い、一体・・・何が?!
ファ:・・・これで・・・推薦貰えるよな?
to be continue...