ジャカルタ・パンク・・・Marjinal | 洋楽と脳の不思議ワールド

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昨夜、夜10時から「熱狂ジャカルタ・パンク」という番組がNHKBS1であったので、眠い目をこすりながら観た。

パンクシーンの紹介というよりも、結成20年を迎える「マージナル」というパンクバンドを軸に、インドネシアが抱える社会問題を描く内容だった。

インドネシアの人口は2億5千万人、国民の9割はイスラム教徒。

近年の経済成長が著しいのは、街にインドネシアからの観光客が増えたのでそれと分かる。

しかし、経済格差が激しく、取り残される人たちもまた多いという。

マージナルは、そうした社会矛盾を訴え続けて若者たちの共感を集めているバンドだ。

ボクはもちろん知らないが、日本でも何度か公演しているらしい。



たとえば「テロリジト(恐怖政権)」という歌の歌詞は「私たちは怒ってる。権力者は私たち国民がどうなろうが意にも解さない」と辛辣。

面白いと思ったのは、イスラム衣装に身を包んだ若い女性も一緒になって踊り狂い熱狂していたこと。

アラブ圏の映像しか知らなかったので、新鮮な驚きだった。

イスラム圏だと言うのに、圧倒的多数の男女はイスラム衣装ではなく、日本人と同じ服装。

イスラム教徒だというバンドメンバーにしてからが顔面タトゥー。



バンドは貧民街で共同生活をしており、いきなりリストラされた18歳の若者が救いを求めて、彼らに頼る姿も映し出されていた。

貧しい実家の経済を手伝うために、13歳の時から働いているという若者の給料は月2万円。

その中から仕送りしているので、彼の部屋にあるのはマージナルの音楽テープだけ。

マージナルの音楽が彼の生きる支えだという。



静かな田園地帯に、大企業が突然工場排水垂れ流しの工場を建てる計画を進め、生活を脅かされる農民たちの反対運動と、連帯するマージナルの活動も描かれる。

「人は1人で生きてるんじゃない。力のない貧しい人たちが連帯すれば状況を変えることができるし、イスラムには人を憎めとか殺せという教えはない」と述べるバンドメンバーの言葉が印象的だった。



音楽の話をすると、ボクが「パンク」と聞いてイメージするサウンドとは少し違っていて、オルタナ風。

映像をご覧ください。