妖しい魅力・・・「ベニスに死す」「サテリコン」「テオレマ」 | 洋楽と脳の不思議ワールド

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マイナーな60年代ビートミュージック。駄洒落小話。写真と読書感想がメインのブログです。

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20歳ちょっとすぎた学生時代の話だ。

2歳年長の友人が面白いパーティがあるからといって、あるマンションに連れて行ってくれた。

部屋の持ち主はアラフォーの男性で、いかつい顔に角刈り、がっちりした体格。

どこから見ても体育会系なのに「オネエ」言葉。

えっと思って見回すと、女装した男性やら、ひとめで薔薇族と分かる方々ばかり。

女性が1人混じっていたけれど、母親世代。

占いで食べてるとかで、奇妙な格好をしていた。


部屋の持ち主はよく分かった人で、ボクと友人の2人はノンケだから口説いて不愉快な思いをさせないように、と薔薇族にクギを差してくれたので楽しく過ごせたが、猛烈にアタックしてくるのが1人いて、これには閉口した。

部屋の主人が言うには、彼は奥さんに捨てられて失意に沈んでいるとき、こっちの道で才能を見つけ出したんだということだった。

主人のほうは女性に関心を持ったことがない、天然なんだと自慢してた。

「ママン、ママン」を連発するたいへんなマザコンで、マザコン男が同性愛に走ると言うのはよく聴く話だけど、そっち方面の心理学の本を読んだことがないので、なぜそうなるのかは知らない。

しかし、繊細な感受性と美意識をもっている人が多く、部屋で流れていたのが、マーラーの「アダージェット」。

ヴィスコンティの名作「ベニスに死す」で流れていた音楽だ。



美少年の名前はビョルン・アンデルセン。

2番館に下りてきたとき見たきりだが、この人の名前は今でもすらすら出てくる。

ノンケのボクでさえ血迷いそうになった。





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血迷いそうになったと言えば、フェデリコ・フェリーニの「サテリコン」に登場してくるマックス・ボーンという少年がそうだ。

この人は役者ではなく、放浪中のヒッピーを監督が見つけ起用したのだとパンフレットに書いていた。

40年前の話なのに名前も記述のその部分も忘れずに覚えている。

フェリーニのなかで1番好きな作品だ。

グロテスクで、退廃とエロスに満ちた飽食古代ローマが再現されている。

まだの方は是非ご覧ください。






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同じ頃作られ、同じ頃観たのがパゾリーニの「テオレマ」。

不思議な魅力を持った謎の青年、テレンス・スタンプがある金持ち一家にころがりこむ。

父親、母親、息子、娘、家政婦の5人が、青年の魅力に負けてつぎつぎに関係を持つ。

ある日突然青年がいなくなり、家族はひとりずつ何かに飢えてさまよいだす。

息子と娘のほうは忘れたが、父親はすっ裸になってベスビオス火山を彷徨し、母親は街に出て若い男を物色、家政婦は信仰の道に入っていく。

いろんな解釈があるそうだが、ボクの結論は宙ぶらりん。

パゾリーニのなかでも印象に残っている作品だ。




で、今日のオチ、あの美しかったビョルン・アンデルセンのその後です。


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ボクのブログではいつも若い姉ちゃんのセクシーショットばかりで不公平だと若い女性から抗議があった。

なので特別に若い兄ちゃんたちのセクシーショットもアップすることにした。



えっ、見たくない~?

まあ~そう言わずに(笑)