日本には電磁波で襲われたと訴える人が一度ならず、二度、三度と登場している。彼らはどのような動きをしているのか社会情勢を考えたい。電磁波犯罪は1945年~1960年頃に米国でM・K・ウルトラの被害をエレクトロニック・ハラスメントと呼び、エレクトロニック・ハラスメントの被害者をTargeted individualsと自称したことに始まる。日本では、1998年からテクノロジー犯罪と呼んだ。中国では、腦控と言う。
・古典的な定義の確認
電磁波犯罪と狂気の関連は常に指摘される所である。では、狂気とは習慣的にどのような意味で用いられて来たのかを説明したい。狂気は観念の問題だと考えられている。①破滅的である②愚者である③妄想である。この三つが考えられている。破滅は自分の身を滅ぼしても世の中を破壊したい、命知らずである様子に使われる。愚者は知恵がないのに大きな失敗を起こすもの、考えなしに迷惑をかけるものなどを言う。妄想は悪い可能性を考えるがこの世に存在しないもの、恋愛感情を抱くが相手に愛情が存在しないものに使われる。アメリカで発達した精神医学は物質的な問題であるということである。脳や身体の欠損の状態や化学物質の欠如により起こるので補ってあげれば治るというものである。治るものなので医療として考えられている。電磁波犯罪は事件に誘われて参加したことがあるという人物もいるので妄想は否定される。何らかの物質的な機能不全の状態であると考えられる。伝統的な狂気観である破滅、愚者、妄想のいずれも当てはまらない。
ですから、何らかの事情で身体の機能が損なわれた障害の一つであると考えられる。
・歴史
現在、確認されている電磁波による被害を訴える団体はパナウェーブ研究所(千及裕子、1997年、福井県)が古い。凶器にはスカラー波を用いられ、渦巻き状の模様を描くと被害が軽減するとされる。2006年に千及裕子が死去し、パナウェーブ研究所は活動を停止することになる。
時を同じくして、電磁波悪用被害者の会(石橋輝勝、1998年、千葉県)が誕生している。石橋輝勝はマイクロ波による被害を訴えている。被害者は2,460名(2022年)である。マイクロ波とは何かというと、300MHz~30GHzの周波数を持った電磁場の波のことである。その根拠として、ボイス・トゥ・スカル(V2K)という技術が使われていると述べている。V2Kとは何かというと、精神学者のアラン・H・フレイ(1961年、アメリカ)が発表した理論である。V2Kは彼の研究したフレイ効果(マイクロ波聴覚効果)というものが使われている。フレイ効果はパルス波形にしたマイクロ波を頭部に照射すると電磁波であるのにクリック音が聞こえるというものである。フレイ効果を発展させて脳内で何らかの音声を表現できないかとする理論である。石橋輝勝の主張によると9MHz~2.2GHzの電磁波が凶器に使われていると主張している。
アメリカや西洋諸国では電磁波犯罪をエレクトロニック・ハラスメントと呼んでいる。エレクトロニック・ハラスメントの被害を受けている個人をTargeted individuals (TI)、Targeted individuals Association(TIA)と自称している。TIAの主張はM・K・Ultra計画を根拠としている。M・K・Ultra計画は統合諜報対象局(1945年、アメリカ)を母体としている。統合諜報対象局は敗戦時に逃亡したナチス・ドイツの科学者を募集して戦力の増強を図ったものである。1960年のアメリカ海軍では統合諜報対象局出身のドイツ系科学者がロシアの諜報員を超音波で記憶消去する実験を行ったとされる。物理現象だけでなく、麻薬などの薬物で共産圏の人物を資本主義圏に寝返らせる研究が行われた。彼らが米国市民を襲い生体実験を繰り返しているのだというのである。生体実験の方法は、各地に携帯電話などの電波中継基地局や電波塔があるのだが、450MHz周辺のマイクロ波により生体の制御を受けていると言っている。日本では、Tageted Individuals in Japan (押越清悦、2020年、日本)という日本支部が誕生している。被害者数は非公開であるが、関係者の話しでは500名前後ではないかと言われている。
非営利団体 組織ストーカー電磁波犯罪被害者の会(SDH)(高本信照、2011年、東京)が誕生している。SDHは10Hz~50Hzの超低周波がの凶器に使われていると主張している。SDHの会員によると創価学会の朝鮮系日本人の構成員が憎悪により民族紛争をしていると主張している。
・電磁波過敏症とは
電磁波過敏症とは体に電磁波が照射されるので湿疹やケロイドができるという訴えである。電磁波過敏症は歯科医が説明している。歯科医が言うことには、電磁波過敏症はアレルギーだということである。アレルギーとは何かというと、肥満細胞にIgEという受容体があるのだが、IgEに食べ物などのタンパク質が結び付いてしまうと、スイッチが入りヒスタミンなどの化学物質が放出される。化学物質で免疫が異物と看做して、自分の細胞を排除しようとするものである。金属アレルギーというのは歯科治療用の金属を口腔内に使う。口腔内の金属は唾液で溶けだし胃や腸で吸収される。吸収された歯科治療用の金属は細胞に取り込まれる。金属を取り込んだ細胞は病変したものと看做され、免疫に体外に排出される働きを受ける。免疫の働きが湿疹やケロイドになるというのである。歯科治療を何回も行うとメーカーの異なる金属を使用する。色々な金属が混じっているので金属の陽子化傾向によりガルバニック電蝕が起こる。腐食が起こる時に電子が移動して電流感を味わうというのだ。そして、体に金属を身に付けるのでアンテナ化をするというのである。20GHzで波長が約20cmのものはダイポールアンテナのような役割を果たし、10cmの金属片にゲインが大きくなる。歯科治療は電気を受容し易いということである。
・生体と機械の融合
生体と機械を融合する分野は幾つもの業界で研究されている。
体の臓器を機械で代用するものは生体医工学である。人工皮膚、人工骨、人工血液、人工臓器、人工感覚器官などを機械で作ることができる。人工臓器は完全機械型、有機物による代用、有機物と無機物のハイブリット型があり、鉱物や天然物の有機物でも生体の機能は代用できると考えられている。
Brain Machine Interface(BMI)は脳波で機械を動かす領域である。人の脳波や手足の挙動を計測する領域である。計測したデーターを仕分けするプログラムを作り、プログラムが色々な機械の動作となって操作するものである。四肢や眼球や言語活動などにはそれぞれに対応した固有の脳波が発生するのだが、一つの脳波の形状に機械の動きを対応させる。例えば、眼球を右に動かす時に生じる脳波と車椅子を右に曲げる動作を連動させる。もしくは、右腕を動かしたい脳波にロボットアームの動きを連動させるようにである。BMIは脳波の形状だけではなく、手足や表情や顔の輪郭などの動作を計測して機械を動かすことも意味している。リラックスした時に好みの音楽をかけるとか、生体認証、集中してる脳波などをモニターで観測して良い状態を保つバイオフィードバックなどが行われる。
IoB(Internet of Brain)は機械で脳を動かす領域である。IoBコア技術は頭蓋骨に穿孔して極薄の電極シートを入れる。極薄の電極シートが脳に電流と信号を伝えるものだと考えられている。古くはBrain to Brain(BtoB)、サイバネティクスなどという名称であった。ファンクションジェネレーターなどにより電流で信号を表現する。エンコードされた電気を人に流すと制御できるというものである。制御された状態はその人だけにしか理解できないが、手足が動いたり、映像や音声が見えたりするということである。遠隔地に設置されたロボット端末が見たり、触ったりする情報を人がリアルタイムで感じるとか、人の脳と脳を繋げて情報や概念さえも共有することを目指している。
・神経科学や脳科学への推移
人間は五感があるのだが、五感はミネラルの移動により発生する電気エネルギーを利用して情報伝達をしている。空気中の信号は神経のミネラルに刺激を与える。ミネラルが水に溶けたものをイオンと言うのだが、イオンの電圧差で神経内で発火が起きて電気が起きている。神経はイオンの移動で情報伝達するが、脳に至ると電気信号とシナプスの隙間を移動する神経伝達物質を併用して電気信号を伝えている。イオンの移動に頼らなくても、発電所で制作した電気でも神経の機能を代用することができる。
V2KやM・K・Ultra計画の問題点は脳内に電磁波が伝わることは理解できるが、何の波形が人の脳内の意識現象に繋がるのか明らかになってないことである。信号は感覚器官と脳で信号が違い、個人により使われてるエンコード形式が多少異なることが知られている。音や光などの空気の振動は波形の電位の高さとリズムをパターン化して、振動の形状を電流に移してあげる。空間の物理状態を写した信号を耳に電流として流すと音と同じように電気で耳が聞こえるという具合である。これが脳になると神経を経るので電位は一定になるのだが、パルス波形の数とリズム、脳の刺激箇所で意識現象に現れる感覚が異なる。ところが、一般的な信号のエンコード形式は解明されているのだが、普遍的にどの人類にでも同じ信号で伝わることはない。背が高いとか顔かたちが違うように神経の形状が若干異なる。それにより、波形の数やリズムが少し違うものとなる。自分の神経の情報を他人に再現するには翻訳の仕事が必要になる。これはムーンショット計画 目標1で語られる脳と機械を融合させる研究にあたる。ムーンショット計画 目標1の研究としてIoBという新規領域が創設されている。IoBのコア技術の研究者により明らかにされている。
・国内で人に向かって電磁波を照射してる団体
NPO団体は宗教や政治と関係がないと言うが、犯人としては宗教団体も視野に入れている。SDHの創価学会を犯人と主張することからも伺える。犯人を宗教団体と考えることはあるということである。
統合諜報対象局のM・K・Ultra計画は米国がソ連諜報員に対して行った洗脳実験である。どうして、M・K・Ultra計画をやり出したのかというと、米国兵士が中国の捕虜になった時に熱狂的な共産主義になって帰国したことが影響している。何らかの条件により人の政治思想が急変したことで、人の人格には一定の法則があるのではないかと研究がされた。最初から共産主義の利益になる選択肢しか与えないのに自分で選んでいいよと伝えることで自己決定したと思い込ませる、薬物や電磁波による記憶消去、心理的な飴とムチ、徹底的な身体への虐待の後に共産主義に利益の行動を高らかに称賛するなどで政治思想を変えるというマインドコントロールが行われた。
オウム真理教は1995年前後にPSI(Perfect Salvation Initiation 完全救済イニシエーション)という修行で頭皮上から電流を流す実験を行っていた。実験は麻原彰晃から採取した脳波を使ってると権威を持たせ、反論を許さずに信者の脳に電流を流すというものである。多くの信者の脳波を計測して脳波のパターンの研究を行っていた。LSDを加えたクエン酸飲料であるサットバ・レモン、電気刺激を脳に加えて記憶を消去するニューナルコ、木製バットで熱が出るほど叩く、TBSの職員が信者であり、サブリミナル効果を番組内に加えて公衆の電波にオウム真理教の情報を加える事実があった。苫米地英人はPSIの目的をマインドコントロールと言い当てたが、形はM・K・Ultra計画とオウム真理教の修行に共通点は多い。根本的にはM・K・Ultra計画は自由主義であるが、オウム真理教は人を食いものにする人材の育成にあったと考えられる。
心理学は学校内で脳に電磁波を照射していることが知られている。TMS(Transcranial Magnetic Stimulation:経頭蓋磁気刺激法)は信号の入ってない磁場を頭部に照射するものである。磁場により電流を誘導して心理的にどのような影響があるか調べている。TMSの器具の周りは2テスラ程度だが頭部の中では数ガウスとなる。rTMSという反復して脳内に電流を流す装置は鬱病の治療などに使われている。超心理学はテレパシーの研究を行っている。学校内や市街地で信号の入った電磁波を人に照射することで、タロットカードの絵柄を言い当てるなどである。明治大学の石川幹人は宗教系のテレパシーなどをエセ科学と言っているが、IoBに見られる脳信号のエンコード技術、効果的に神経を刺激する情報通信領域の神経工学が欠けているのでエセ科学なのである。電磁波であっても信号を欠いている、電磁波を照射しても電圧が足りないということである。
現代レイキは遠隔ヒーリングと称して人に向かって電磁波を照射すると言っている。電磁波には手紙が入っており、意識で船や飛行機などの乗り物を描き、メッセージを心の中で唱えて思い人に届けと念じると、朝6時から7時に映像や音声を届ける仕事をしているとしている。料金は1週間7,000円~10,000円、1か月で3万円前後である。
・結び
冷戦期の洗脳実験は政教分離で放任状態となった現代日本の宗教に流れ着いたと考えられる。
・参照
TARGETED JUSTICE - Targeted Justice for Targeted Individuals
非営利団体 組織ストーカー電磁波犯罪被害の会 - (非営利団体) 組織ストーカー電磁波犯罪被害の会 (s-d-h.org)
活動団体・活動家・活動情報 集団ストーカー関連の活動団体や活動家 | 集団ストーカー被害者が知った事実と分析 - 勝てる! 被害改善責任論 (ameblo.jp)