ポールトーマスアンダーソンの映画全部見たよ。

ここまでもれなく面白い監督ってなかなかいないのではと思わされる素晴らしい作品ばかり。

誠に勝手ながら現段階での自分の好き度で順位付けしてみたいと思うよ。

ただこれは現時点での順位付けであってこの先また何回か見直したら変わると思うよ。

 

1位 ブギーナイツ

2位 ハードエイト

3位 ファントムスレッド

4位 マグノリア

5位 リコリスピザ

6位 Punch-Drunk Love

7位 There will be blood

8位 インヒアレント・ヴァイス

9位 THE MASTER

 

とゆう感じですかね。1位と下位7~9位は結構明確で2~6位がせめぎあってます。

じゃあ下位から話していこうかな。軽くね。

 

THE MASTER

教祖洗脳ものだと思うのだけれどもっとMASTERがわけわかんないくらいの狂気を持っててほしかったのとホアキンフェニックス演じるフレディも最後までいまいちキャラクターがつかめないなと思った。あの過去の女の子のことともうちょいリンクさせてほしい気持ちであった。あと、ポールトーマスアンダーソンは予想に反する演出がすごく気持ちい監督だけどあの集会では全裸の女性たちが踊ってる演出はなんだこれ必要なのかってゆう気分になってしまった。

こんな感じでポールトーマスアンダーソン作品への期待値がとても高いためにTHE MASTERに関しては辛口になってしまってるけどアツいシーンもたくさんある。まずよくわかんない塗料混ぜた酒飲んでるのは最高、プロセシングワークの二人の演技も良い。浅はかながらホアキンフェニックスは狂気を持った役がやっぱりはまってると思ってしまう。これはかなりジョーカーに引っ張られてる部分もあると思うけど。

あとホアキンフェニックスが牢屋でトイレ壊したのは普通に事故らしいねおもろすぎ。

あとバイクで何もない平原を超スピードで駆け抜けるシーンもいいね。駆け抜けるシーンはポールトーマスアンダーソンの醍醐味なんだろうなあ。

 

 

インヒアレント・ヴァイス

これもホアキンフェニックス。これはストーリーがちょっとつかみにくいけど各所各所のシーンがとにかくかっこいい。ただ今書こうとも思ってもなぜか全然思い出せないのでまた見ます。とにかくシーンがかっこいいんだ。

 

 

There will be blood

これは石油掘削で大儲けした男の話。最初の16分くらいまでセリフないんだよねこれ。でもしょっぱなの掘削のシーンからしっかり見入っちゃうよね。やっぱ普段穴の中を見ることってないでしょ。見たとしてもトンネルの中、ある程度安全が保障されているかつ人工的に整備された穴なわけ。けど石油掘削の時の穴ってなんかすごく掘ったんだなあこれえって感じだし、普通に上からもの落ちてきて流血したり人にぶっ刺さって死んだりするわけ。それがまず面白かったです僕は。あとこの映画で大きなテーマの1つなのが石油王とその息子の一言では言い表せない親子関係。レビュー読んでると親はお金稼ぎのことしか考えてない、傲慢だってゆうのが結構あったけど、実際石油王にとって息子はかなり大きな存在だったと思うの僕は。息子の耳が聞こえなくなった時の彼の息子への態度とか、息子のことについて他人に触れられたらすげえ怒っちゃうとことか何年かぶりに再会したときのぶしつけな態度とか、全部息子への愛情だと思うんだけど、その形がいびつに感じちゃうのよね外から見ると。あと当たり前だけどお金稼いだって別に満たされないよっていうテーマをすごくよく表現した映画でもあると思う。ラストの自宅のボーリング場のレーンでウイスキー飲んでそのまま寝そべってるとことかまさにそうだよね。

そして宣教師イーライのおかげでいいシーンがたくさんありますね。まず洗礼のシーンね。あのときのイーライの気持ちはいかに。そしてなんといってもラスト。彼が来てくれたおかげでダニエル・デイ=ルイスがいかにお金で満たされてなかったかを私たちは目の当たりにすることができる。本来彼の提案はダニエルにとってはささいなことなんだけど、彼のこれまでの人生の中で短くすり減った導火線に火が付いてしまったんだなあ。そしてラストのロングショット左右対称感は完全にキューブリックを彷彿とさせるものでした。

こんなにほめてんのに順位が低いのはクオリティとしてはめっちゃ高いと思うけど好みでいうとそこまでかなっていうことです。

 

 

Punch-Drunk Love

これはもうなんといっても最初のシーンが最高すぎる。これだよこれこうゆうのが見たかったんだぜ!って久々に思った。主人公のキャラが立ってて好きです。やっぱ映画はキャラが立ってる人がいてこそ面白い。

これも全力疾走逃げシーンがあってそこも最高です。

ポールトーマスアンダーソンの映画にしては時間も短くてストーリーも明快で見やすいと思う。あとタイトルのはまり方もすごいね。これ書いてたらまた見たくなってきたわ。

 

 

リコリスピザ

これは情報量多くてまだ自分の中でも二割くらいしか消化できてないのであと5回くらい見て詳しく書きたいと思います。

 

 

マグノリア

これはもうものすごいね。めっちゃ面白い。

ほんとにいろんなシーンが思い出せる。全部印象的。

やっぱラストのカエル降るシーンは言わずもがななんだけど警官がコカインやってる女性の家に尋ねるとことかもめっちゃいいね。女性の演技がいい。なんか冷静を装ってるんだけどコカインでハイになっちゃってるのがこちらからはしっかり見えてるんだよね。面白い。

あとわたきしあんまりトム・クルーズが好きじゃないんだけどこのトム・クルーズはマジで最高。ミッションインポッシブルこそがトム・クルーズだと思ってる人にこそこれを見てほしい。彼はこんなことをやらせてもいけるんだぞと。

あとなんだろうねほんとにいろいろあるんだけど、あれだねクイズ番組のやつあの群像劇の描きっぷりはまさに至高。ほんとにいろんな思いがあの番組の中で錯綜してる。

とにかく語りつくせないほどの魅力がある作品です。

 

 

ファントムスレッド

これもつかみのシーンがすごいと思う。彼の厳格さとか職人気質を最初の身支度のシーンだけで分からせられるものかと感服します。これは脚本がすごく好きです。なんかのレビュー見てすごく腑に落ちたんだけどレイノルズの妻になるアルマは少しずつ自己主張が強くなっていくんだけどそれはまさにレイノルズの作る素晴らしいドレスを何度も身にまとうことで同時に自信を身に付けてきたからだというのがすごく丁寧に描かれてる。セリフにも少しずつ宿るその自信が感じられる。そして仕事第一のレイノルズの気を惹きたい彼女の行動がなんとも狂気的でエンターテインメントとしてはたまらない。二回目ではもうレイノルズも気づいてるんだけどそれを承知で彼女に乗っかるという展開もまたため息が出るような脚本だなあと。その乗っかるシーンもめちゃくちゃ良いです。

 

 

ハードエイト

これもつかみが素晴らしいねえ。そしてシドがかっこいいに尽きる。最初の作品なのでポールトーマスアンダーソン味としては薄めだとは思うけれど純粋にすごく面白い。うんただただ面白い。

グラントリノのイーストウッドとかシドみたいに若いころにいろんなことで手を汚してきたがゆえにすごい余裕を持った境地に達してる人多分すごい好きなんだなと自分の性癖を再確認する映画でもありました。

 

 

ブギーナイツ

これはまじで大名作だ。正直ポールトーマスアンダーソン映画ではみなこれが一番は変わらないんだろうなあと勘違いしたくらい。そんなことなくて人によってポールトーマスアンダーソンNo1映画は様々だった。そこがまた面白いね。

まあそんな勘違いするくらい最高でした。まずキャラの立ち方と彼らの関係性。出てくる人たちみんな最高だし、マイノリティがゆえに他の現場にはない結束力を感じる。みんな違った形での狂気を持ってるのもそれを差をつけて見せれるのもすごいなあと思う。ローラースケートの美少女と手合わせするシーンなんか最高でしょうよそれをじっと見つめる監督さいこう。ほんとに大好きなシーンばかりなんだけど特に大好きなのは主人公たちがやばいやつにクスリに見せかけた小麦粉かなんかを売りつけるシーンで、そのやばいやつの家にいる中国人の子供。家の中で爆竹鳴らし続けてるのマジでわけわかんなすぎて好きです。

とにかくストーリー、シーンの強さ、キャラ立ちどれをとってもすごい映画だなあと思います。