(株)アリタ広報室報道班
カメの子かめしょー
第2章 記者と自立の問題?
前回までのあらすじ
主人公岡田が(株)アリタに入社して、初営業?をやって、会社に戻ってくると、歓迎会!!歓迎会をやってもらった。その歓迎会から9か月たった頃・・・。
岡田は、亀山に自立をしろと言われてからもうすでに9か月も経っていた。ようするに1月。その岡田はどこに居るのかというと・・・。
「寒い」
寒いという事は雪国にいるのか?
「っておい。そんな事を言ってないで、話を進めてくれ」
岡田は誰に言っているのだろう。
「あんただよ。あんた」
ああ、僕だったか。すまない岡田よ。
さあ、話を進めよう。ここは新潟県というところだ。このスキー場は・・・。
「早くはなしを進めてくれ」
ああ。ごめん。では話に戻りましょう。
何故岡田が苗場スキー場に居るのかというと・・・。
3日前・・・
北村室長に岡田は呼ばれた。
「なんですか。室長」
「君に苗場スキー場支局に行ってもらう」
「室長。それって今流行りのモーニング移動命令?あ、それともモーニング出向命令?ハッハッハー」
「んな訳あるか。出張だよ」
「ですよねー」
(ん?苗場スキー場~支局ってなんだ?ちゃんと喋ってくれ。聞きづらかったろうが)
という訳で苗場スキー場にいる訳だ。
「フロントはどこだ?」
岡田は場所がわからなかったのでホテルの人を拾い場所を聞いた。そしてフロントに着いた。
「あの、(株)アリタの支局ってどこですか?」
カウンターの女の人は奥に入っていった。
しばらくすると男の人が出てきた。名札を見ると富田と書いてある。しかも名札の色が違う。
「支配人の富田と申します室長から伺っております支局を作るので下見ということですよね?」
(支局を作る?下見?どういうことだ?そういえばあの時室長は苗場スキー場支局の~と言っていた。~は下見の事だったの?なんだ)
岡田は部屋に通された。その部屋は、いい値段のする部屋だった。何故かと言われると角部屋だからだよ。
「では、何かございましたら、フロントまでお電話ください」
そう言いながら支配人は部屋を出て行った。
岡田は携帯を出し室長に電話した。
「あ、室長ですか?岡田です。ついさっき着いたばかりなのですが、ここには支局は無いんですよね?」
「ああ、(仮)ならあるよ」
((仮)ならある!?)
「その(仮)ってどこですか?」
「たしか、第1ゴンドラっていうのがあると思うんだけど、その降り場のすぐ近くだったような気がする」
「わかりました。明日行ってみます」
そう言っておかだは電話を切った。
翌朝・・・
「あーこういう時に吹雪ね運の悪い男だよ」
などと言いながら第1ゴンドラに乗り、上に着くとそこは竜宮城・・・じゃなかった、雲の上だった。
「あのーすみませーん」
(仮)の受付から声を張って岡田は言った。
「はーい」
とやる気の無い声を出して出てきたのは亀山だった。
「あっ」
と二人は声を出した。
「何だ岡田だったのか」
と亀山は落ち込みながら言った。
「何だって何ですか?」
(どーせかわいい女の子だと思ったんだろ)
まーいいから、とイスを勧めた時だ。
「(仮)支局長―。ドラゴンドラ故障で停止です」
と1人の男が言った。
「よし、分かった。すぐに情報収集だ」
と亀山が言った。
「え!?亀山さんが(仮)支局長!?」
「岡田お前も手伝え」
と亀山が言った。
「もちのろんですよ。亀山さん」
「ふざけるな。岡田」
と出る準備をしながら亀山が言った。
「はい」
とキレのいい返事だった。
「岡田。無線の使い方は分かるか?
「分かりますよ。早く行ってください」
「おう。着いたら連絡するからな」
「了解。じゃあ行ってらっしゃーい」
とお母さんみたいな言い方で言った。
「いってきまーす。じゃねーよ馬鹿。じゃあ行くからな」
「はい」
亀山ともう1人が付いて行った。
「あのー。すみませーん」
と手をさすりながら、岡田が言った。
「はい。何でしょうか」
と男が言った。この男の名前は半沢直樹。元銀行員。その銀行は東京中央銀行。役職は本部営業第二部次長。通称TCBCだ。
「亀山さんともう1人いたじゃないですか。彼の名前は?」
と岡田が言った。実際この(仮)支局は亀山を含む3人しかいないのだ。多分半沢は組であろう。岡田は、いつもにビビっていた。実際亀山が移動したときになったのでは?と思っていた。ただ今回見つかったのでほっとしている。
「ああ、あの人は杉下右京」
ん?あの●棒で聞いたことあるぞ。杉下はプリンス系列からだと言う。か?それともただ、ここに詳しいからおかれただけか?まあ、それはどうでもいい。ともかく、ここ苗場スキー場(仮)支局には3人しかいない。こんな事を喋っていたら亀山から無線が届いた。
「おーい岡田聞こえるかー」
亀山の後ろからサイレンが聞こえる。たぶんパトロール隊だろう。
「はい。岡田」
「原因言うから、メモしろー」
「はい。ちょっと待ってください」
とメモ帳を取り出して、自分でメモするのかと思ったら、半沢営業第2部次ちょ・・・じゃなかった。半沢にメモしろというのだ。まあ、急いでいるからしょうがない。
「鉄塔の崩壊だ」
と亀山が言う。後ろのサイレンの音がさっきよりうるさくなっている。警察も来ているのか?
「了解。すぐに本社に連絡します」
と岡田が言った。
「頼んだぞ、岡田。こっちは写真を撮って帰る。本社に人を15人もらってこい」
と亀山が言った。
「やってみます」
と岡田が言った。
「半沢君。君は本社の事故対策課に電話」」
分かりました。とキレのいい返事が返ってきた。
「室長ですか?苗場スキー場のドラゴンドラ?で故障です。」
「わかった。記者会見はそっちでやれ」
それを聞いて岡田の動きは止まった。
「聞いてるか?原稿はこっちで書くから」
と言われて、少しほっとしたようだ。
「ああ、あとひとを15人くらいもらえますか?」
と岡田ら紙やペンを出しながら言った。
「いいよ。15人じゃなくても、2、30人でもいいよ」
「いや、2,30人は(仮)支局に入らないんで、15人で大丈夫です」
「OK.わかった。じゃあ頑張れよ」
「はい」
この後、岡田は
こんなに長電話をするんじゃなかった。
と後悔するのであった。
2日後
あの電話から2日。長電話のせいか記者会見の準備に手間取っている。15人いても足りなかった。岡田は内心
(20人くらいもれえばよかった)と思っていた。
そしていよいよ、岡田の初記者会見がはじまったぞ。
「えーこの事故の詳しい事はまだわかっていません」
220分後
岡田もそろそろ限界か?ちょっと顔が怖くなってきているぞ。
「はじめの時に事故の詳しいことがまだ分かっていないとっていましたが、なぜですか?もう事故から2日も経っているんですよ」
と某有名新聞記者が言ってきた。
岡田が答えようとすると、さっきから目に余る記者がいた。
「おい、そこの朝●新聞!さっきから都合のいい所だけ書いてんじゃねえぞ。私は必ず事故の原因を解明する。二度と邪魔しないでいただきたい」
とあのT●Sの日曜劇場半●直●みたいな事を岡田は言ってみた。これはかなりまずいだろう。
「はい。すみませんでした」
とあっさり朝●新聞の記者は下がった。
「これで記者会見を終了させていただきます」
これを言ったあとにテレビで見るようにフラッシュがたかれたり、一斉に喋りだしたりした。
岡田はただ原稿を読み上げていただけなのに、疲れていた。と言うか、質問攻めにされたからであろうか。その質問攻めに原稿は無い。それに質問攻めは、30分の内15分もあった。岡田は会場を出た直後に待っていたように、電話が来た。
「何だよ」
と岡田は思ったがその電話の主は社長だった。
岡田に告ぐ。間違っても社長に「なんだよ」などとは思ってはいけないぞ。そんなことを社長に言ってみろ。「片道キップの島流し」だぞ。要するに出向って訳だ。
「は、はい。あ、あ。社長。はい。ええ。あ、はい。ありがとうございます」
「社長なんて言ってた?」
「ナイススピーチ。だとよ」
「ナイススピーチってこっちは心臓バクバクでやってんだからさ。てゆうかスピーチじゃないしね」
歩き出そうとしたら、また電話が掛ってきた。人事部だ。
「はい」
「あ、岡田君かね?私は人事部次長の小木曽だ。君は馬鹿かね。あんなことを言って」
「あんなことってなんですか?小木曽次長」
と歩きながら岡田が言った。
「あ、あれだ・・・」
と小木曽が言った。
「あれじゃわかんないだろうが!お前の方が大馬鹿だ。いいか。今から言う事を全部メモしろ。僕と亀山さんは、強い信頼関係で結ばれている。必ず二人で原因を解明する。いいか」
そういうと、岡田は電話をブチ切った。本当に片道キップの島なが・・・。ってこれ、半●直●じゃなかったんだ。読者のみなさん間違っても半●直●と間違えないでください。
岡田は亀山にこう言った。
「亀山さん。絶対に原因を突き止めましょう」
「ああ。やってやる。やられたらやり返す。10倍返しだ」
あれから岡田と亀山は、1ヶ月をかけて、原因を突き止めた。その黒幕とは・・・
「やっぱりあんただったの」
と亀山が言った。
「何で分かったんですか?」
と岡田が言った。
「何で分かったんだ」
この声は・・・。
「社長の後の電話で分かったんだよ。あ、こいつだな。って」
と亀山が言った。
「じゃあ、証拠を出せ。証拠を」
あ、この声は小木曽人事部長だ。
あの会見は苗場スキー場プリンスホテルでやった。苗場スキー場プリンスホテルは山奥にあり中継車が行っても電波が入らない。そのため日テレのZE●Oの時間帯のニュース番組でないと見られなかった。そのため、小木曽は怖くて見に来ていたのだ。
「あんた、今自白したの分かってる?」
と亀山がゆっくりとしゃべり始めた。
「き、君は何を言っている。僕は・・・」
「何で分かった。あんたそう言ったよな?」
岡田は小木曽が喋っているのにも関わらず、お構い無しに喋る。
「そんな・・・」
「うるさい!証拠はある。爆弾の原料や、仲間へのメール。仲間からの内部告発者」
と言いながらメールのコピーを出した。
「な、なんで君が持っている」
「だから、内部告発者がいるっていってんだろ!そういえば、土下座してくれるんだったんだよね?小木曽」
と岡田は言った。たしか、あの電話のときに原因が分かったら、土下座してやるよ。そう言っていた。
「すまなかった」
5秒間の沈黙があった。
「でも、刑事告発とか考えてないよな?」
と小木曽が言った。
「ああ、そんなこともあったか」
と岡田が言った。
「家族だけは。おねがいします。告発だけは・・・」
と小木曽が言った。
「家族がいるのは、お前だけじゃない。俺だっている。妻がいる」
そういいながら、小木曽の胸ぐらを掴んだ。
「え?亀山さんって、結婚してたんですか?」
と、今知ったのか岡田は驚いていた。
「そうだよ。とにかく本社にこの事は報告する。いいな?」
「・・・」
「分かったか!!」
と亀山は声を荒げた。
「は、はい」
と言うと小木曽は落ち込んでいた。
数日後・・・
「小木曽人事部次長。社長室に」
と社長秘書に呼ばれた。
「お呼びでしょうか?社長」
「君には残念だよ。本当に残念だよ。誰か亀山君と岡田君の代わりを探さなくちゃなー」
社長の見た紙は出向者リストだった。探す必要は、もうなさそうだ。岡田と亀山の所に、小木曽と仲間の名前が書いてあった。
「亀山さんって、有川さんと結婚したんですか?」
とスキー場近くのバス停で聞いてみた。
「え?ああ。あれは、ウソ。ごめんな」
と亀山が手を摩りながら言った。
「え?でもまだ付き合ってるんですよ・・・」
「別れた」
と、言いながら、わざとぽっく時計をみた。
「なんかすみません。こんな話して」
「別にいいよ。引きずってる訳でもないし。あ、バス来た」
「あ、本当だ」
「じゃあな。早くこっちに飛ばされて来いよ。3人だと暇なんだよ」
「何言ってんですか。俺は何も悪いことしないですから」
「んだよ。まあ、いいか。頑張れよ」
「はい。亀山さんも頑張って下さい」
「あ、もう敬語じゃなくていいから。亀山さん。とか、ですますは使わなくていいから」
「いや先輩だから」
「いいから。じゃあな」
「はい」
そう言いながら、岡田はバスに乗った。亀山はバスを見送った。
「おーい。岡田―」
この声は室長だ。
「はーい。なんですか?」
「あの件はお疲れ様。帰ってきて3日しか経ってないのに、悪いんだけど・・・」
といいながら室長は胸ポケットから茶封筒を出した。
茶封筒は辞令がメインだが・・・。あ、まさか岡田出向!?
「ま、まさかの出向ですか?」
と岡田はビビリながら聞いた。
「出向じゃなくて移動。場所は、苗場スキー場支局」
と室長が言った。
「きたー。コロコロコロッ・・・。じゃなくて、苗場スキー場。岡田と一緒だー」
「やっぱり、悪いことしたんだ」
と亀山
「してないよ。僕の働きが認められたんだよ」
「かもな」
「よし。じゃあ仕事始めるか」
と亀山の一言で苗場スキー場支局の1日が始まる。また吹雪だ。岡田のせいで寒くてつまらない苗場スキー場支局の1日が始まる。
「ソチってどっちー?ソッチー」