またまた更新するのをサボっていました。

月下の一群・第3集の4曲目は原詩がシャルル・ヴァン・レルベルクに

よる『輪踊り』です。

3拍子ワルツで同名の曲は1集にも有りますがこの3集の「輪踊り」は

それまで1集の『輪踊り』、2集の『十月の薔薇』とはまた別の個性を

与えようと主にタッカのリズムによって軽やかにスキップするような曲

になっています。

ピアノ伴奏はそこに3連符のリズムで絡んでゆき、ポリリズム的な

面白さを出しています。


そして5曲目は月下の一群シリーズのフィナーレを飾る『人の一生』です。

人生の終末の悲運を告げる重々しい低音パートのピアノが劇的に

入っていき、恋・生きること・人生の儚さを嘆き、

終始重々しく絶望的な雰囲気のまま

“やがて 夜 なべての 終わりー“

で曲集全体は重苦しく閉じます。


この曲の歌詞は2集の「冬」と似通った世界観で、歌詞自体は

より短くシンプルで曲の小節数も多くはないのですがベートヴェンの

悲愴ソナタの序奏のようなピアノ伴奏のおかげで存在感のある

曲となっています。


なおこの曲の初期の演奏では後奏が有りますが(例:上智大学の

1987年の演奏)、のちにこれは省略させて演奏されています。


・・・さて簡単ではありますが以上で月下の一群のレビューは

終わりとさせて頂きます。