柊先生の「星の瞳のシルエット」の番外編である短編「エンゲージ」と
「エンゲージⅡ」、本編が高校までですが、この2編はその後の香澄と
おケイの大学入学後のエピソードです。
高校編で新キャラとして登場した香澄の同級生おケイは物語の引っ掻き
回し役というか、もっと悪く言えばピエロ役で、本編では結局誰とも
結ばれなかった報われない役回りでしたが「エンゲージ」の2編はその
おケイのための物語になっています。
「エンゲージ」では大学編の新キャラとして遠野行(とおのゆき)という
大学には入ったもののちょっと無気力なキャラが登場し、香澄やおケイと
絡んでいきます。
物語の最後、行はおケイの魅力に気付き、二人の恋が発展しそうな
ところでエンドになりますが、柊先生曰く、これでやっと『星の瞳~』も
大円団を迎えることが出来た、と巻末のあとがきで仰っています。
この話では本来の主人公である香澄と久住君も出てきて、2人の確固
たる関係も改めて描かれています。
司も登場しますが、沙樹と真理子は登場せず(おまけ5コマ劇場で
真理子は就職している風に描かれています。沙樹は?です。多分大学へ
行ってるはずの設定ですが・・・)じまいで、個人的にはもうちょっとページ
があればなぁ・・と思うところです。
おケイと司が道でばったり逢った場面での
おケイ「彼女お元気?」
司「どの彼女?」
おケイ「よろしく言っといてね。」
のとぼけた会話の下りなんかはなかなかいい演出です。
全体的に「星の瞳~」ファンなら満足の行くストーリーですが、
個人的に沙樹ファンとしては1ページでもいいから沙樹出してほしかった
なぁ・・・というのがあります。