辱なくもこの法を ひとたび耳にふるる時
讃嘆随喜する人は 福を得ること限りなし
かたじけなくもこののりを
ひとたびみみにふるるとき
さんたんずいきするひとは
ふくをうることかぎりなし
ありがたいことにこの仏法を聞いて喜びに身を震わすような人は限りない幸福が得られます。
仏法を聞いた人は誰でも、ではないところが白隠さんとても正直です。
人の話を聞いて「讃嘆随喜する」人はそう多くありません。たいていは、「あ、そうなんだ」とか「うん、いろんな考え方があるからね。人それぞれだからそれでいいと思うよ」とかいう反応でしょう。讃嘆随喜するのは仏法を聞く前から相当に仏縁が高い人ではないでしょうか。ただし、これはその「人」の問題ではなくて、そのときの人の「状態」の問題ですから、誰でも讃嘆随喜することはあり得ます。
矢野昭潔「禅への案内 白隠禅師 坐禅和讃の入門と英訳」より
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