落合川の小渓谷を保全する会 会報19号           2010年1月9日


落合川の「ホトケドジョウの生存権訴訟」

 11月10日 証人尋問は論理で圧勝!!


証人 宮崎淳一(山梨大準教授)(専門ホトケドジョウ)

1) ホトケドジョウハ絶滅しても誰もすぐには困らない。がホトケドジョウの進化過程を明らかにすることによって、日本列島の形成史が解明される。それは氷河期からの生き残りである、湧水にしか生きられない、何万年も交雑がない等の理由によって列島の造山によって隔たればDNAが違ってくるからです。

2)東京では絶滅に近いホトケドジョウが1000匹以上いたということは驚異に値する。それは生息・繁殖環境として非常良かったと推定される。

3)問題なのは、都が魚類学会のガイドラインを守らずに放流したことだ。

4)都がガイドラインを守る必要がないとしていることも問題である。

証人田中規夫(埼玉大院教授)(専門河川工学)

1)旧川を残す方法はあるし、積極的に残している事例がある。

2)埼玉県の市野川のように、蛇行部分をショートカットして放水路を作り、洪水時のみ放水路を利用し平時は旧川に流すやり方がある。

3)落合川の例でシュミレーションをした場合、2流路方式(旧川に流す)だと最大30cm、上流分流部を半分に絞ると10cm、全部を塞ぐと6cmの本川の水位を下げる治水効果がある。

4)落合川の場合、旧川を残すことは可能であり、湧水は保全できてデメリットはない。

5)落合川の上流部を塞ぐ方式なら都の言う80cmの掘り下げは必要ない。

6)その場合、都の言う流水による侵食は問題にならないから籠マットくらいの護岸でよい。

7)都の言う3mの管理用通路はそもそもこの程度の短い小河川に必要ない。

必要というなら日本中の小河川が全て埋めたてられてしまう。

8)原告が提案したビオトープ案は、川幅の広がっている範囲から始まっているから都の言う治水上の問題はない。

後は次号に

会報19号は2月9日までなら、まだ図書館・公民館・市役所等にあります。