国家一般職の試験は面接はゆるゆると聞くが、その代わり筆記がかなり難しくなっている。国家公務員総合職の試験みたいに倍率が高いというわけではない。では、どう難しくなっているのか?それは頭の回転の速さや国語力がかなり求められている

例えば、基礎能力試験では文章理解で国語力が求められているのはどの試験でも当然のことであるが、パターンがあり、パターンを押さえれば沈まずに済む。これは国家一般職も例外ではない。しかし、問題はそれ以外である。私は先日、H28年度やH29年度、H30年度、令和元年の問題(知識と文章理解以外)やり直してみた。https://yaku-tik.com/komuin/index-course/ http://www.shirokame.com/komuin/index.htm

 

 親切な人が数的処理や経済の問題アップしてくれてて解説もついているので便利である。そこで気づいたこと

 

H28年度 基礎能力試験  判断推理 16問目のメールの問題は地理の知識が必要である。数的処理に他の科目の知識を盛り込む試験って国家一般職だけではないか?と思える。

      専門試験 ミクロマクロ経済について マクロ経済は40番の問題除いて簡単だったけどミクロ経済は異様な難易度である。31問目は加重限界雇用均等の問題なので取りこぼせないが32問目は補償所得であり、無差別曲線の通常とは違うケースが求められており、現場思考経済的センスを問う問題である。33問目は税収と社会的余剰の問題だが理論の深い理解がないと式も立てられないしグラフも正しく書けない。何を求めたらいいのかわからない。34問目は外部不経済の問題であるが微分したらとける問題になっている。35問目はシュタルベルク均衡の問題でありLecの講師も計算問題は捨てても問題ないと言っていたのでかなりの難問である。よって5問中31、34の2問解ければ十分だろうと思ってLecの講評見たらどれもA(正解率60%以上)B(正解率40~59%)であった。何でそんなに出来るのかがわからない。

 

ちなみに私の本番受けた時の点数は 基礎能力試験10 専門試験16だった。この頃はまだ勉強進んでないし大丈夫だろうと思った。

 

H29年度 基礎能力試験 判断推理 12問目 結構悩んだ。正解は導き出せたが目くらまし設定が多かった。13問目 順序問題であるが問題文がごっちゃごっちゃしていて場所の設定が目くらましになっているので設定を無視できないと混乱して解けなくなる。解きなおした時も全くわからなかった。 14問目 ヤギの隠れ場所の問題であり、条件が殆ど定まらないややこしい問題である。解きなおした時も全くわからなかった。但しLecの講評では正答率がABだった。恐らく国語力や頭の回転で解いているのだと思う。過去問で類似した問題はなかったし順序問題も目くらまし設定入っているからそれに混乱せず基本的にアプローチする力が求められているのだと思う。15~17問目は典型的な問題なのでやり直した時は解けた。空間把握は殆ど正解率20%代の捨て問なので解けなくて仕方ない。数的処理はともかく資料解釈は27番がかなり難しい。過去問にないタイプの問題だった。一般知識は時事3問、社会科学3問、人文科学4問、自然科学3問の13問で構成されているがLecの講評では目標 時事2問 社会科学3問 人文科学2問 自然科学1~2問と合計8~9問拾うことが求められている。しかし時事問題は速攻の時事では対処できない問題だらけであった。何かコツがあるのか?それとも常識力を問う問題なのか?と思う。社会科学は法律経済はともまく政治分野はQMでは不十分である。専門の政治学やっている人でないと対処できない問題も混ざっている。でも何で全問正解しないといけないのかが理解できない。

 

      専門試験 ミクロマクロ どちらも理論の理解が求められており結構難しい。

 

ちなみに本番での点数は基礎能力試験13 専門試験23だった。基礎能力試験の敗因は数的処理、判断推理、資料解釈が16点中3点 一般知識が16点中3点と演習が不足していたのだが一般知能分野は目くらましで混乱して何もできなかった部分が多かった。終わった時絶対受からない試験だとも思った。

 

H30年度 基礎能力試験 この年は数的処理がかなり難化した年であった。本番では問題20の確率が解なしで全員正解扱いになっていた。私は当初その問題に20分かけてしまって当初の速報の正解肢2を選んだ。かなり無駄だった。数的処理は16点中8点だったが敗因は時間が足りなかった&確率に時間をかけすぎたからである。そういうメリハリや問題を見極める能力も求められているのだと思う。一般知識分野は時事が3点中0点だった。この年は速攻の時事を5周したのに…やり方が悪いのかもしれない(テメーの頭が悪いんだろう?そうかもしれない)社会科学も3問中1問で 知識分野は13問中2問しかとれなかった。計16点だった。

    

       専門試験 ミクロマクロ経済がものすごく簡単になった当たり年である。ミクロ経済は一問計算ミスして5問中4問だったが、公式さえ覚えれば解けるラッキー問題だった。解きなおした時も同じくらいとれた。マクロ経済は本番では3点でやり直したときも3点だった。でも結構基本問題だったし過去問全部潰せていたらミクロマクロ満点だったかもしれない。 本番では24点だった。

 

ちなみに私の本番受けた時の点数は 基礎能力試験16 専門試験24だった。

 

令和元年 基礎能力試験 一般知能分野について、問題17の家系図の問題がかなりややこしかった。おいめい、いとこの定義が自信なかったので解けなかった。人事院はこういうところでも一般常識を見ているのだと思う。

  

       専門試験 ミクロ経済は相当の難問だったと思う。しかしLecの講評では全部Aだった。何でそんなに解けるのか?と思った。32問目は落ち着いて問題文読めば解ける問題だったとは思うが31問目、33問目は理論の深い理解が求められていたと思う。34問目は二企業間の外部不経済の交渉がある場合、ない場合の問題であり何をしたらいいのかわからなかった。現場思考力が求められている問題だったと思う。

              マクロ経済は島本先生も言っていた通りかなり難化しているらしい。36、37問目は基本問題だが38~40問目はスーカコの発展問題並みの難易度だった。マクロ経済捨てて学系に逃げた受験生も多かったと聞く。40問目はH28で類似問題があるのでそれをしっかり理解できれば得点できたかもしれないが高得点を取るのは余程の経済的センスが必要である。

 

       本番では基礎能力試験20、専門試験24だった。敗因はミクロ経済選べず代わりに選んだ英語基礎が2点、マクロ経済が2点、易化したと言われる社会学が2点だったからである。


学系で社会学は簡単だと言われているが、嘘だと思う。何故なら毎年スーカコに載っていない選択肢が平気で出るからである。文脈や常識で正解肢判断する力が求められているのだと思う。

 

まとめ       

 

 従って出題者の意図としては最低限の勉強はしたうえで、柔軟に考え、文脈や常識から正解を導き出せる人材が欲しいのでそれにあった問題を作っているのだと考えられる。面接が簡単な代わりに筆記が難しくなっているのも筆記の中で柔軟に考え力を見る問題が盛り込まれているからだと思う。他の試験種と比べて国家一般職程、柔軟に考えることができる問題を盛り込んでいる傾向が大きい。その上、柔軟に考えることができない人間が不利になるように上手くできている試験なのだと思う。専門試験は選択制とはいえ、ミクロ、マクロ経済は柔軟に考えることができる力が求められている。経済を避けようとしても学系科目は文脈や常識から正解を導き出す能力が求められている。

 

 他の試験では例えば、国家総合職の試験では倍率こそ高いが専門は法律、経済、政策分野で得意科目を選べる。従って経済が解けなくても問題はない。現に3年前、2年前と筆記合格して面接Cなら最終合格できる点数は確保できた。去年は出願しなかったけど… 裁判所事務官も経済が苦手なら刑法に逃げることもできる。しかし国家一般職では経済は避けられないし避ける場合でも学系は上述の通り難しい。

 

したがって、公務員試験の筆記の中で国家一般職は一番難しい試験だと思う。しかし私は面接が特別苦手なので国家一般職の筆記で点数稼ぐしかない。