星粉 南のSS小説

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感想なんかを頂けるとがんばっちゃうのでよろしくお願いします。

SS小説では星新一先生を尊敬していて、またさよなら絶望先生が大好きなので、一部小説の内容が似ている事もあろうかと思いますが、そこは見なかった事にするか、笑って許してください。

読者様、コメント、大歓迎です。


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生きる資格

時は今よりもずっと先の未来。
環境問題やエネルギー問題、戦争や紛争については今よりもずっと良くなっていたが、ただ一つ解決できない問題があった。

「首相、依然わが国の自殺率は首脳国の中ではトップですよ。これでは国際社会で面目が立ちません。」
「わしも、それを憂いていたのじゃが、、、、解決策がわからないのじゃわい。
有能で人生順調そうに思われる人が突然遺書を残して自殺してしまう、一種の不治の病だからのぅ。┐( ̄ヘ ̄)┌」
「そんなにあっさり諦めないでくださいよ、こっちは国際会議の場に出ると、あの国は死ぬまで国民を働かせる、鬼のような国だと白い目で見られるんですから(#`ε´#)」
「じゃったら、君何かいいアイディアがあるのかのぅ?」
「実は生きる資格というものを作ってみてはと思いまして、、、

僕には生きる資格がありません。このフレーズ、結構な頻度で遺書に残されていることに気づいたんです。
資格がないなら、作っちゃえばいいんじゃないでしょうか?」

かくして生きる資格検定が始まった。
受験者の経歴、簡単なペーパーテスト、容姿、性格等を総合的に判断して合否が判定される。
経歴も、本人が見落としているような細かいところまで徹底的に調べられた。
生きる資格なのである。やりすぎなどない。小さいころにおばあさんを助けてあげたとか、お財布を拾ったとか、プラスになることは何でもチェックした。コンピューター技術の発展で可能であった。
当然、その逆もあり得た。昔いじめをしたとか、盗みを行ったとか悪いことは容赦なくマイナスされた。

結果として受験者全員が合格だと信憑性に欠けてしまうので、100人に片手程は残念ながら不合格。
でも不合格といっても本人だけに合否が配達されるので結果は本人しかわからないような仕組みであった。

当然諸団体からのクレーム、抗議活動などがあったが目に見えて自殺する人が減るとそれも自然に止んできた。

「大成功ですね、首相」
「う~ん、資料を見る限りはそのようじゃの。」
「あれ?うかない顔ですね、何かありましたか?
ま、でも自殺してしまう人は周りから見ると羨ましい境遇の人ばっかりなんですよ。研究所の所長、一流会社の社員、有名病院の外科医、、、。当然、そんな人たちが不合格になるわけないじゃないですか?国にとっても重要な人材ばかりだったんですが、それが失われなくなっただけでも今回の政策は大成功でしたよ。
不合格になった人には申し訳ないんですが、どうせ役に立たない人ばかりでしょう。」
「そうじゃの。すまんが君、今日は気分が悪いから下がりたまえ」

だれもいなくなったのを確認して机に中から一通の封の開いた封筒を取り出した。
中身はそう、生きる資格検定委員会からの結果。
もちろん合格だと信じて、冗談半分に受けてみたのだが、結果は不合格。

詳細にその理由が書いてあった。

あなたは祖父の跡を継ぎ、今は首相の椅子におさまっている。
小さいころから親の七光りで、「おじいちゃんに言いつけてやる」が口癖で都合が悪くなると逃げてばっかり。
議員になるにも、票田を受け継ぎ、お金をばら撒き、能力不足を補った。何人の有能な人を蹴落としてきたか分からない。加えて政策でも、保身のためにしか動いておらず、、、、、




展示会

この話には一部事実も含まれます



ある芸術家が芸術として飢えた犬を鎖につないで展示することを発表した。
当然のように動物愛護集団、博愛主義者から非難が殺到。「これは非人道的行為であり、許せるものではない」
マスコミや、一部興味本位で駆けつけた観衆によって彼のアトリエは連日大盛況。
こうなるともう止まらない、それは転がる石のように。
一部過激派により、彼のブログは炎上、彼の家は放火され、また連日のようにテレビで取り上げられた。

「この人でなし~」
目を血走らせ、博愛を謳う観衆に向かって芸術家は火に油を注ぐ一言を。
「これは準備段階に過ぎません。ここから飢えた犬が死に絶えるという芸術に発展するのです。
それにこの犬たちは保健所から引き取ってきたもので、本来ならば処分される犬です。
どうしようと私の勝手でしょう?」

こうなると単なる興味本位の人たちも意見を変えざるを得ない。
「何も殺すことはないでしょう、たかが犬とはいえ命ある動物なんですよ。」

全てを敵に回した芸術家は付け加えて一言。
「助けたい方はどうぞご自由に、引き取ってください。私は止めませんよ。」

展示会の当日、いつもはがらんとした館内だが、その日だけは違った。
報道陣、団体の人、いつもなら野良犬に無関心な人たちまでもが集まり、早足で「犬の餓死」へと集まった。
みんな、周りの様子を伺い、みんなが降りる停留所なのに、誰も降車ボタンを押そうとしない、そんな雰囲気と似ていた。
するとある老婦人が前に出て、犬の方に歩み寄った。
「もう大丈夫だからね」
自然と拍手が巻き起こり、この美談は華々しく語りつがれてめでたし、めでたし・・・
と終わるであろうところに芸術家が出てきて新たな犬を繋いだ。
「何をするんだ!もう終わったんじゃないのか?」
憤る観衆に向かい
「犬は全部で10匹います。後9匹ですね。」

結局この日は展示が行われることはなかった。

連日のように芸術家は新たな野良犬を繋ぎ、観衆が引き取って帰る。
そんなことを繰返すうちに、芸術家の用意した数百という犬は底を尽いてしまった。

これでは展示にならない、結局失敗に終わってしまったのだ。
諸悪の根源たる芸術家に、人間の博愛が勝った瞬間である。

ある時こう言う人が現れた。
「あの芸術家は本当は犬を救おうとしていたのではないか?」

インタビュアーが取材を申し込むと、芸術家は一言。
「僕の芸術はもう完成している。それに・・・いや、やめておこう」

数ヵ月後、、、その場の勢いに任せて引き取った犬を捨てる人が急増した。
町には野良犬が増え、やせ衰えた犬が徘徊するようになった。

更にえさ不足から飢え死にする犬もでてきて、とうとう彼の芸術は完成した。


「本当にありがとうございます、先生方」
数日後、芸術家は町でも有名な豪邸にいた。
今日はあるパーティに招かれていたのだ。
彼は続けた。

「芸術は作品も大事なんです、、がそれ以上にみんなに名前を覚えて貰わないとどうしようもないんですよ。
みんな作品を見る前に、誰が創ったのかを気にする。ゴーギャンのように死んでから有名になっても仕方ないですし。でもみんなに名前を覚えてもらったし、これから生活も楽になるでしょう。」

「いやいや、感謝するのはこっちですよ、先生。」
ちょび髭の保険所所長は続けた。
「全く保健所のありがたみを忘れている飼い主が多くて困っていたんですよ、やつら生んでしまって誰も引き取り手がいない犬、猫なんかを直ぐに持ってきたり、近所に野良犬がいると子供に悪影響が出るからってすぐに通報してくるんです・・・一体処分に費用がどれくらいかかってるのか知ってんのか?ってね。

可哀想だからって去勢しない飼い主も増えてきてるんですよ。
これで保健所に引き取られる犬についての認知も広まったでしょう。」

加えてお腹のでっぷりした、市長が続けた。
「これから増税しようと思ってたんですが、これでいい口実が出来ましたよ。ただ増税っていうと無責任に反対を唱える人が多くて困る、、、けど、町中に野良犬が溢れかえったら話は別でしょう。処分費用が底を尽きましたって言ったら反対できる人もいないし。」

製薬会社の社長も続けた。
「ちきんとした体制が整うまで、野良犬も増え続けて、噛まれる人も増えるでしょう。

いやぁ、最近は狂犬病のワクチンの在庫があまってしまって途方に暮れていたんですよ。これでうまく出荷できます。あ、そうそう駆除のときはちゃんと頭数制限して、いなくならないようにお願いしますね。」

こうして、これからの成功を喜ぶ宴は朝まで続いたとさ。

感想なんかもらえるとうれしいです。(*゜▽゜ノノ゛☆

はじめまして。

はじめまして。

これからSS小説を書いてみようと思っています。

お付き合いいただけたら幸いです。