作者    : 仲谷 鳰

出版社  : KADOKAWA

状況    : 全8巻完結(2019.11)

ジャンル : 学生(高校)

男性関与: ある意味キーマン

 

(★以下ややバレありなのでご注意)

 

ついに完結を迎えました。

でも基本的には前巻の燈子と沙弥香との対話で結末への道筋は決定されたように思います。(お話の流れとして)

それを受けた最終巻である本巻では、多くの読者が見たかったであろう展開を見事に描ききっていただけました。まさに大団円。

 

私はこの作品が大好きなわけですが、どこに一体そんなに惹かれたんだろうなーとつらつら考えています。もちろん絵が綺麗で繊細とかキャラの造形が魅力的とか、細かく描かれる感情表現がとてもしっくりきて読んでいて気持ちいいとかありますけども、まだ明確になっていません。百合漫画といいながらもう少し間口の広いカテゴリである恋愛漫画だとも良く言われる評ですが、それも内容ではなく読者層(ターゲット層)を分けているだけのようにも思いますし…。

ともかくも、最初から最後までとても好きな作品であり、これを世に出していただいた仲谷先生には心から感謝いたします。

 

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本巻、これまでの色々を回収、解決していった巻でもありましたね。

・あーお母さんにはまだ言ってないんだ、とか

・やっぱり堂島会長か(笑、とか

・Echoが繁盛してる!とか 色々色々

もちろん表紙&帯も1巻と対ですね。

・あと、お姉さんと似てないって笑顔で言えるようになったんだなーとかね。

 

友人にカミングアウトした時なんかのあれこれも見たい気もするけど、この結末のために徹底してつき進んできた本作からすればそれはやっぱり蛇足ですね。

でも燈子先輩、役者なんて趣味にとどめておいて、もっと堅実な道進んだ方がいいと思うんだけどなあ

あと、アニメ二期やってくれないかなあ…

作者    : 大沢やよい

出版社  : 一迅社

状況    : 全8巻 完結(2018)

ジャンル : 社会人

男性関与: 序盤少しだけ(ほぼ無し)

 

なんでもそつなくこなすデキるOL 香月奈々美(26)と生活能力皆無の漫画家 藤村かえで(29)が主人公。

序盤はあんまり百合ぽくないですね。ぐうたらダメダメな かえでと世話をやく奈々美の同棲わちゃわちゃ物語。漫画家友達?オタサーの姫とか色々ちょっかい出してくるイケ女とか意識高い系OLとか…登場人物もコメディ風味でしょうか。それがだんだん意識するようになって、という感じ。

 

気楽に読んで、ほっこりできる作品です。

でもちょっと某キャラを便利に使いすぎかなあ。

作者      : 秋山はる

出版社  : 講談社

状況    : 全6巻 完結(2011)

ジャンル : 社会人

男性関与: 序盤かなり性的にも絡みます、嫌な人は注意

 

これはかなり重い。主人公がアイドルくずれの芸能事務所スタッフ 宮下雪乃(18)と元ミュージシャンで売れてない作曲家 岩井節子(22)という時点で既に重いけども。

同性愛への社会的偏見やら個人の葛藤やら色々出てきます。ある意味王道的なアプローチ?アイドルとして成功した元ユニット仲間とか同性愛に理解あるフリだけする人たちとか…

周囲の人たちとの関係性もかなりきついものが多い作品です。(いい人も登場しますが)

 

10年近く前の作品ですが、でも、現時点での実社会も実際こんなものかもな、とも思います。

色々表には出てくるようになりましたが…偏見、あまり無くなってませんよね。

 

読み返すにはかなり心のパワーが必要な作品なんですが、二人の未来へ希望を持ちたいそんな結末に救われました。

作者    : 灯

出版社  : マッグガーデン

状況    : 既刊2巻(2019.9.16時点)

ジャンル : 社会人

男性関与: 良き相談相手?

 

中堅産機メーカー開発部の頼れるリーダー清水真琴(29、隠れ百合オタ)と業務用スマイルの素敵な総務の前川 茜(25、???)が主人公。

ストーリーはとてもテンポよく進み、小気味良いです。元々はpixiv連載なんですね。絵も安定してかわいらしい。

ちょっとかなりめんどくさい前川さんとある意味大人物な清水さんの組み合わせがぴったりはまってニヤニヤできます。

 

最新2巻ではだんだん二人の関係性が変化していって…

「つづきは3巻で」「エーここで?!」ということでつづきが楽しみな作品です。

作者    : 仲谷 鳰

出版社  : KADOKAWA

状況    : 既刊7巻(2019.9.16時点)

ジャンル : 学生(高校)

男性関与: ある意味キーマン

 

現時点で私の中のこのジャンルオールタイムベスト。(まあそんなに数読んでないですが…)

作品の構成が極めて緻密でまるであらかじめ完成した設計図に従って完璧に作り上げられたよう。視線や手足での感情表現も抜群にうまい作家さんです。あとキスシーンがえろい(笑)、それはもうものすごく。

 

共学高に通う2年の生徒会長 七海燈子 と新入生 小糸侑 が主人公。「好き」を知らない少女たち-というところからアセクシャルが主題?と思いましたが、必ずしもそうではなく、でも「好き」とはどういうことかを見つけていくお話。普通に共学の学校で、男女間の恋愛で悩む友達もいて…という中にあるからこそ主人公たちの葛藤もリアルに浮かび上がってきます。(が、同性愛に対する葛藤とかは描かれません、あくまで性別関係なく恋愛ものとして読むべきでしょう)

めんどくさいけど面倒見がいい侑とさらにめんどくさい燈子に燈子の友人佐伯沙弥香に加え、周囲のひとたちも基本的にいい人なのも安心ポイントかも。でも彼女ら彼らとの交流は二人の心にとても大きく影響していく、まさに恋愛&青春群像劇。

 

最新7巻ではひとまずの決着がつき、いよいよ大団円へ。秋~冬発売の8巻で完結ですが、最後まで二人の結末を見届けたいです。

作者    : いけだたかし

出版社  : メディアファクトリー

状況    : 全9巻 完結(2011年)

ジャンル : 学生(高校)

男性関与: 登場はします

 

空手道場の娘 村雨純夏 と かわいい女の子が好きな 風間汐 が主人公。

もともとはギャグ漫画として描こうとしてたのではないかな。そんな表現が多々登場します。

あるいは恋愛コメディか。このあたりは好みが分かれるところかも。

とはいえ、徐々にシリアスに(ギャグも交えつつ)二人の心情が描写されていきます。

ちょっとお話は散らかった感もありますが、希望を感じさせる展開は良かったと思います。

 

 

作者    : 森永みるく

出版社  : 双葉社

状況    : 全5巻 完結(2010年)

ジャンル : 学生(高校)

男性関与: 序盤有り

 

このジャンルではかなりの有名作品ですね。

女子高に通う内気な まり と あっこ のお話。女子同士のわちゃわちゃを折込みつつ、まり から あっこ への想い、それに対する あっこ からの想いが実に丁寧に描かれていきます。

比較的オーソドックスな展開だとは思いますが、二人の友情から恋愛への気持ちの変化を最後までじっくり描ききった名作です。

 

作者    : 志村貴子

出版社  : 太田出版

状況    : 全8巻 完結(2013年)

ジャンル : 学生(高校)

男性関与: 登場はします

 

私がこのジャンルにはまるきっかけになった作品。

心理描写重視、と思います。

 

「ふみちゃんはすぐ泣くんだから」

別々の高校に通う 万城目ふみ と 奥平あきら の二人が主人公。ふみ は同性愛者ですが、必ずしも同性愛が、ということではなく、恋愛・人を愛するということはどういうことなのかが周囲の人々との関係性が複雑に絡みつつ描かれます。

直接表現はないものの、一部性愛表現はあり。前半は ふみ(と ふみ が憧れる先輩や友人たち)の、後半は二人の心情がメイン。

恋愛の経験のある人・今恋愛している人にはそれが異性・同性限らず共感できる部分はあるのではないでしょうか。もちろん「ああ子供だったな」と頭を抱えたくなる記憶も多いけれど、それでもその土台の上にそれぞれの生き方があるんだと感じる、そんな作品でした。個人的には主人公たちよりも杉本先輩の心情変化がとりわけ興味深かった。大人になったね杉本先輩。

 

最終盤、お話の展開がやや駆け足になってしまったようなのが残念。