「劇団鹿殺し」

そりゃあもう、名前だけは存じ上げておりました。

でも、興味があっただけで、残念ながら観たことはありませんでした。

だって、日常的に雑食な人ではない限り、予算的、スケジュール的にも、自分が好きなものばかり観てしまうのが、演劇好きというものではないでしょうか。

こんなときこそ、職権乱用！←

せっかくここのライターやってますから（笑）

人気劇団の15周年ということですし、まずは観てみなくちゃ始まらない。

そこで、鹿殺しの初体験！をしてきたのが、

リバイバル作品「image -KILL THE KING-」でした。

客席に入ると、早速気になることが……

何やらモフバンドと呼ばれるものを、お客さん相手に実演販売しているじゃないですか！（←そうじゃない）
けしからん！けしからんぞ！！（←非常に気になっている）

どうやらウェアラブルの新製品（本物）を使って、“演者の動きに合わせた演出”をするそうで。
バンドを着けた腕を振ると、役者の色んな台詞がランダムで聞こえたりして。
何やら楽しそうなことを企んでいるじゃないですか。

わくわくしながら開演を待つひととき。

そうこうしているうちに始まる劇中劇。

そこからまさに怒涛のように、いちいち予測不能な展開に飲みこまれ、巻き込まれ、圧倒されていく観客たち。

タイトルも「image」ですからね。

妄想の世界が次から次へと繰り広げられてゆくのです。

とにかく濃い。見た目もネタもストーリーも濃度が高いわ。
でも、だからと言って客のほとんどは取り残されていなかったんじゃないかな。

それが不思議だった。

そこは、15周年といえども、「俺たち面白いだろ？」というスタンスでは決してなく、「お客さんを喜ばせたいんだー！」という愛情のような真摯な情熱が根っこにあるからなのかもしれない。

濃度の高さも、自己陶酔系だったり押しつけがましい一方的なものならばあっという間に食傷するけど、独特のストーリー展開の中に必要濃度として存在している、しかも恐らくそのことを客観的に見て自覚していると、決して観客を突き放さないもののようで。

このさじ加減、バランス感覚は、15年間のきちんとした積み重ねなのかな。

古田（新太）さんに、
「元気があってよろしい」「自信を持ってオススメできるバカ」と言わしめたのは、本気でバカをやるこのひたむきさと真面目さなのでしょうね。

一度観たらもういいかな、となると思いきや、他の作品も観たい！と……まんまと感じてしまった。

だから、次は超個人的に行きます（笑）

東京公演は12/4（日）まで！！

大阪公演が12/8（木）～12/11（日）に控えてますよ☆

（writer：銀だ子）