自由はちょうどダイナマイトのように、効果的で
あるが危険な道具なのだ。
われわれはその正しい取り扱い方を学ばなけ
ればならないが、それには知性と意志を必要
とする。
誰でも知っていることだが、許されることと禁じ
られることとの境は目に見えないのだ。
アレキシス・カレル
ぼくは、大きく息を吸って「父さん」と切り出した。
「ぼくは、医学の道には進めないと思うんだ」
父は、怖れていたことをついに聞いてしまったとでもいうように、
視線を落とした。その表情があまりにも悲しげだったので、
ぼく の胸ははりだけそうになった。
だが、もう一度ぼくを見たときは、今まで見たこともないほど
やさしい表情が浮かんでいた。
「わかっていたよ」と父はおごそかに言った。
父をどれほどがっかりさせたかと思うと、
ほくは涙が出そうになった。
「父さん」とぼくは言った、「ごめんなさい」
父は鋭い視線でぼくをみた。
「いいかい、父さんはお前が医者にならないことに失望した。
だが、お前そのものに失望したわけじゃない」
こころのチキンスープ