若手噺家グランプリ優勝❣️桂三四郎❶【扇の的】義経が無茶な弓矢の挑戦を求めて困惑する若侍たち




2月19日に、第6回上方落語若手噺家グランプリが開催され、桂三四郎が地噺【扇の的(源平盛衰記)】で優勝した‼️


9人の戦いを制した三四郎のコメント❗️

【6年連続で決勝に出たが、毎年悔しい思いをしてきた。最近は一門で暗いニュースが続いていたので、何とか明るいニュースを届けたかった。三実とワンツーフィニッシュでと言っていたので、結果に結びついてよかった。ネタの《扇の的》は、那須の与一の屋島の戦いが2月19日なので、ピッタリと思った】


その報を聞いた桂文枝のコメント❗️

【1月下旬に、妻と母を相次いでなくし、淋しい、悲しい、辛いことの中で、僕に元気をくれた弟子2人に感謝です。ありがとう。良かったね。鼻高いです。雨に咲く花です。】



本日、8番目の出番なのが、桂三四郎である。


座って早々に、『この出番が一番お客さんが疲れている時ですから、お気を確かにね、

演者にも、気を遣ってくださいね』と言って始めた❗️

ネタは、【扇の的】。

地噺【源平盛衰記】の後半を、独立させたネタである。(春風亭小朝発案のネタ)



平家物語の筋を断片的に話し、そこで小噺やギャグ、ジョークなどを連発(それは時事ネタなど現代の話でも全くかまわない)、一段落ついた所でまた平家物語に戻るという、【地噺】の代表作と言える❗️


落語としては、【小噺で笑いを取る方が重要】で、ネタ元の平家物語は、数々の小噺をつなぎとめる接着剤の役割にすぎない。


源平盛衰記は、元々は、7代目林家正蔵の十八番であり、これを東宝名人会で聞き覚えていた息子の初代林家三平が、後輩の柳家小ゑん(後の立川談志)に伝えた。

これにより、【源平盛衰記】は、多くの落語家に演じられるようになった。




🟣桂三四郎の【扇の的】とは。


屋島の合戦。夕刻が迫り、平家方から一艘の舟が出て、絶世の美女、玉虫の前が手招きをした。

『竿の先に扇を開いて、この扇を射てみよ』と❣️



すると、義経。

玉虫の前の誘いにのり、

扇の的を射抜く者はいないか❓と探し出した。



源氏の侍たちは、

🅰️『わー、またや、義経様が、めちゃくちゃなこと、言い出すねん⁉️

こないだもそう。

一ノ谷の合戦で、

馬で、この断崖絶壁を飛び降りろ❗️

鹿で出来たことを、馬でもやれと‼️

馬と鹿を一緒にするなんて、これこそ、馬鹿やって、

皆で言うててん❗️

それがナント勝ってしもて、勝つことに快感を覚えてしまった❗️』



🅱️『扇の的、当たるわけ無いし、失敗したら、腹切って死ななアカンねんで‼️

余りにハイリスク、ローリターンすぎるやないか❓


あっぱれ❗️or  ダイ⁉️やないか。

俺、絶対やれへんで。


弓矢なんか、やるんや無かった❗️

源氏なんて入らんと、公務員めざして、

大原簿記専門学校に入ったらよかった』




🟢地噺の良さは、ドラマティックな歴史的エピソードの中に、現代の人々の思いを入れ込んで、

大昔の話でも、身近に感じさせられる所‼️


落語家のセンスをいかして、

いかようにも遊べる【自由度の高いネタ】❗️だと言える。


しかも、

元は講談ネタが多くて、

語りの色んなスタイル、

立板に水の【修羅場読み】など、

日本語のリズムで快感を呼ぶことまで可能なのだ。


覚えるのは大変だが、

身につけたら聴衆を巻き込める語りで、

酔わせることも出来るのだ。



🔴桂三四郎は、

これまで、【かずとも】という才走っているのだが根は純心な子どもを主役にした新作落語で、

おばあちゃんと孫の考え方のズレをいかしたクスグリを連打する爆笑ネタを作ったり、

YouTubeで新作を発表したりと、

多彩な才能を見せてきた。


この上方落語若手噺家グランプリには、

桂三四郎は、6回連続出演して、

今回、6回目で初優勝したのだが、

6回連続、決勝戦に出続けたこと自体、

いかにレベルの高い落語を演じているかの、証拠である。