立川吉笑は奇天烈な新作落語で驚かせる❷❗️その発想は、芯になる【短いコトバ】の発見から❣️




🟡集中すると異次元の時間【ぞおん】に入り込むという、その【ぞおん】の一点に絞りこんで、

そこから、どんな現象が起こるのか、どんなドラマが見られるのか、実験したスーパーシュールな新作落語【ぞおん】を、ご紹介しましょう❣️




定吉が大きな店に奉公にでる初日。

番頭の部屋に挨拶しに行くと、番頭が出てきて『ピャッピャッピャッピャッ・・・』

早口でしゃべってきて全く何を言ってるか分からない。


定吉は、お店の金蔵に、番頭のことを質問すると、


金蔵『新入りの面倒を見ろと言われてるので、何でも聞いてや。うん、そうか。


実は、番頭さんな、調子いい日が月に何回があって、調子いい日は、身体がキレッキレになりはんねん。❗️

ほんで、【ぞおん】に入りはんねん❗️


定吉『ぞおんて、父に聞きました。


剣の達人が戦場で調子よくなると、相手の剣の動きがピタッて、止まって見えるから、それをかわしてグサっと突いてかったりとか❗️


弓の名人が戦場で調子よくて、ぞおんに入ったら、狙ってるマトがピタッと止まって見えて、

ズバんと射抜く、このぞおんですか❓


★【ぞおん】という不思議な状態の話が始まり、何と何と、定吉の父は、その【ぞおん】について、詳しく知ってるほど、知る人ぞ知る話❗️なんだということが、分かってくる・・・・



金蔵『君、えらい、ぞおんに詳しいな。

番頭さんがぞおんに入ったら、まわりの事がゆっくりに見えるらしいわ。


番頭さんは、普段通りにしゃべってるつもりやけど、俺らが聞いたら、早口すぎて、ピャッピャッピャッ・・・となるわけや❗️


君も早よ、ぞおん入りや❗️

口は難しいから、耳だけ、ぞおん入り❗️

そーせな奉公人でけへんから。



★よく聞けば、大店の全員が、番頭さんが【ぞおん】に入りやすい事実を知っていて、また皆が、番頭さんの超早口なおしゃべりを、解読できるのだという。

何という大店だ❗️



みんな入ってる。

ぞおんの入り方、コツ教えたるわ。

目閉じてみ❗️頭の中、ぞおんはんが、いてはる❗️

そこで、ぞおんはん、いてまっか、といくわけや。

誰や、金蔵やないか、お入りってなるわ❗️

それで入れるから、早よ入り❗️』

 

★【ぞおん】の解読の仕方だが、昨日今日、ポッと奉公し始めた人間には、分かるはずがあるわけない❗️

ぞおんはん、いてまっかて・・・⁉️


金蔵によると、番頭さんは死ぬ気で事務をしていて、勘定を間違えたら腹を切る覚悟でやっている。

それくらいの緊張感でやってるから、ぞおんに入ってしまう❗️


するとその時、番頭さんが、パーンという音を出した。

金蔵曰く、あれは定吉を呼んでる声で、『手紙だして、手があいたら、こっちにこーーい❗️』が縮まって、パーンの音になった。


金蔵は、番頭さんをぞおんから出すのがいいと考え、

定吉に、そのやり方を教えた。


その方法とは、番頭さんがしゃべってる最中に、大きな物音をたてて驚かせると、ぞおんから出ると・・・


★【ぞおん】から出させるやり方があるなんて、

初耳だ。ピャッピャッピャッ・・・に対抗するには、やはり大きな音だという。音には、音を❗️



定吉は、その仕事ぶりと念願のぞおんに入れるようになって、番頭さんから、休みをとって実家に帰っていいとまで、言われた。

ついに、認められたのだ・・・・・

            

                   【完了】