将棋格言集 第3回 金は引く手に好手あり | 将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~

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オールラウンドプレイヤーを目指す序盤研究ブログです。最近は棋書 感想・レビューのコーナーで、棋書の評価付けもしています。

どもども、将棋格言集です。

よくよく考えると、格言っていっぱいあるので、
もっと更新しないと終わらないコーナーなんですよね、これ(汗)

いやー、思い付きで手を広げ過ぎた(笑)

ま、じっくりと完成させていこうと思いますよ!


後悔の中で迎えた今回のお題は、


金は引く手に好手あり


これでいってみようと思います。



金は引く手に好手ありっていう格言の意味は

「金は前に進むには不自由しないけど、
後ろには一つしかいけないよね。
だから、出来るだけ下段で使った方が、隙無く使えるよ。」

って意味です。非常に論理的ですね。


しかし、ここで悪ふざけが始まるんですが、
「じゃあ、金は出来るだけ下の方にいた方が良いって事ですか?目
と、屁理屈をこねてみましょう(笑)

名付けて「下段金特集」!(そのまんまじゃないか:笑)

平成11年のHNK杯 杉本-堀口戦では、
3枚連結下段金を見る事が出来ました(下図)
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元々いた金を引いたのではなく、
持ち駒の金を打ったというのが惜しいところです(笑)
もっとも、3枚目はどうしても持ち駒からになっちゃいますけどね。

実戦は以下△4八銀と打ちこみ、
3枚連結下段金は早々に消え去りました。

私が調べた感じ、
4枚連結下段金をプロの実戦で見つけることはできませんでした。


平成19年の銀河戦 糸谷-伊藤戦では、
一間飛び下段金を見る事が出来ました(下図)。
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竜を仕留める一段金ですが、
糸谷当時4段が放った▲4四桂が好手で、
いくばくもなく後手投了においやられました。


「一段金」と聞くと堅いイメージがありますが、
そんな事はありません。

平成12年のNHK杯 鈴木-深浦戦。
名付けて「離れ離れの下段金」(下図)。
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流石にこれだけ離れていると、
堅いというイメージは無いですよね(笑)
私もこれだけ遠距離の下段金は見た事がありません。

これに対し、鈴木当時6段は▲6一金!と打ったので、
一段金(?)が入り乱れる珍形になりました。


反対に、
「敵陣深くに打ちこまれた下段金を見てみたい!」という方は、
平成10年の王将戦 堀口-勝又戦をどうぞ(下図)
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「ん?下段金が無いじゃないか」とお思いでしょうが、
ここから勝又当時4段は、△6九金 ▲4九玉 △5九金打とまさかの乱れ打ち!

自陣の下段金は良形ですが、
敵陣への下段金(というより一段金)は効率が悪い形の代表格。
プロの実戦ではなかなかお目にかかれませんね(笑)

勝又プロの名誉のために書いておきますが、
勝敗は後手勝ちとなりました。


では最後に、平成元年のA級順位戦 大山-田中戦から、
私の好きな下段金を(下図)。
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こんな手を指されたら、「ヤメテクレー」と悲鳴が出そうな下段金(笑)

穴熊は恐ろしいですね(汗)