新企画・「右玉浪漫飛行」と将棋倶楽部24近況 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

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「将棋大好き雁木師の将棋本探究」をリニューアルしたブログです。
主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様こんばんは。ABEMA師弟トーナメントのプレゼントキャンペーンに当選して舞い上がり気味だった雁木師でございます。

 

 

今日は前半は新しい自戦譜の検証企画。後半は将棋倶楽部24の近況報告を行いたいと思います。長文となりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

まずは新しい自戦譜の検証企画から。今回からの自戦譜検証は「右玉」を題材に検証していきたいと思います。タイトルは

右玉浪漫飛行
 

でございます。

このタイトルの由来は後ほどのコラムコーナーで詳しく話すとして、今回の企画をナビゲートしてくれるキャラクターをご紹介します。

イラストの左側のキャラクターが「DJ.ミギタマ」。右側がアシスタントの「アオテツ」です。この2人とともに右玉の将棋を検証していきたいと思います。

それでは早速「右玉浪漫飛行」の始まりです。

※なお、このストーリーに出てくる人物、出来事などは一部を除き架空のものです。実際の人物、出来事などとは一切関係ありません。

 

ープロローグー

ー某日深夜、とあるラジオ局にて新番組が始まった。

ディレクター「5秒前、4、3、2、1…」

ミギタマ(以下ミ)DJ.ミギタマの『右玉浪漫飛行』!!」

~♪(オープニングBGM)

ミ「全国の将棋ファンのみんな。Good Night。今日からこの時間を担当することになったDJ.ミギタマだぜ!!」

アオテツ(以下ア)「こんばんは。アシスタントのアオテツです。よろしくお願いします」

ミ「アオちゃん。まさかこのチャンネルで右玉が取り上げられるなんて、夢にも思わなかったよ」

ア「今回担当のディレクターが右玉推しなんです。そこから生まれたのがこの番組『右玉浪漫飛行』。右玉大好きな方もそうでない方も、『右玉の将棋に触れてみると新しい将棋の世界を知ることになる』というのをコンセプトにした番組です」

ミ「右玉はとても面白い。面白いけどメジャーかと言われるとねー」

ア「確かに、ファンの方からすると現代の主流・相掛かりや王道の矢倉、覚えやすい振り飛車などがメジャーです。こんなことを言うとあれなんですが、右玉は地味で駒組みが難しいとされています」

ミ「でも、この番組を聴いたあなたはきっと右玉の虜になること間違いなし!!もちろん、ミギタマも一緒に勉強するよ。みんなで右玉の世界を旅していこうぜ!!」

 

「右玉浪漫飛行」:第1回「挨拶代わりの右玉」

ミ「そういえばアオちゃん、突然だけど…俺たち、まだ自己紹介してなかったね」

ア「そうでした。では本題に入る前に簡単に自己紹介しましょうか。ミギタマさんからお願いします」

ミ「Hey!!DJ.ミギタマだ。もともとは野球場のスタジアムDJをやっていた。3年前、球団の幹部に誘われて将棋を始めたらのめりこんじゃって…今に至る」

ア「思いっきり省略しましたね。ちなみにミギタマさん、プロモーションで披露されたサングラスは…」

ミ「そう、ミギタマはゆで卵が大好きだ。好きなゆで卵は半熟。特注でペイントを入れてもらったんだ。もちろん将棋の棋譜を見るときは外すよ。このサングラスかけてたら見えないからね」

ア「まあ、そうですよね」

ミ「ちなみに尊敬するラジオパーソナリティはDJダニーさん」

ア「DJダニーさん?」

ミ「DJダニーさんは凄いぜ。頭がよくて国立大卒。大学では哲学を専攻された異色の先生さ。ダニーさんは早見え早指し。天才肌の先生だね」

ア「それって…糸谷哲郎八段のことではありませんか?立派なプロ棋士ですよ!!」

ミ「うん、それは知ってる。でもミギタマにとっては尊敬するラジオパーソナリティさ。某インターネットテレビでは『DJダニー』として親しまれている。この機会にDJダニーさんのことも広めたいのさ。ミギタマのことはそれくらいにしてアオちゃんの自己紹介も頼むよ」

ア「…わかりました。私アオテツ、本名は青谷鉄平(あおたに・てっぺい)と申します」

ミ「青谷鉄平だからアオテツと呼んでいるのかい?」

ア「もちろんですが、私は隠れ鉄オタでして…。とりわけブルートレインが大好きなんです」

ミ「ブルートレイン…。確か、寝台列車のことだね」

ア「はい。今はもう走らなくなったんですが、『はやぶさ』のラストランを撮影してから興味を持ちました。そこから妻に内緒でグッズを集め始めたんです。もちろん、寝台列車の旅をしたこともあります。あれはたしか…」

ミ「(アオちゃんが脱線に走りそうだぜ…)アオちゃん、電車の話はまた今度にしよう。ところで、将棋番組の担当は今回が初めてではないんだっけ?」

ア「そうです。5年ほど前に『Go To Subway』という番組を担当させていただきました。内容は『地下鉄飛車』を取り上げたもので難しかったと記憶しています」

ミ「タイトルは楽しそうだけど内容が難しそうで、ミギタマの実力ではついていけそうにないね」

ア「今回の『右玉浪漫飛行』はミギタマさんのように、棋力に自信がない方でもわかりやすく学べるようにいろいろと工夫していきたいと思います。どうか最後までお付き合いください」

 

ーCM後

ミ「アオちゃん。記念すべき1回目のテーマは?」

ア「はい。一口に右玉と言いましても相手の戦型によって戦い方が変わります。今回からしばらくは対居飛車戦での右玉をご紹介します。今回は対矢倉戦での右玉をご紹介します」

 

解説:今回の題材の局面はこちら(2月の将棋倶楽部24の実戦から。持ち時間設定は15分。先手番が私です)。

ミ「あれ?これは矢倉の将棋だよ。アオちゃん、間違ってない?」

ア「本譜はここから先手が右玉に構えます」

 

上図からの指し手

☖7五歩 ☗同歩

☖同角 ☗6六銀

☖4二角 ☗1六歩

☖8五歩 ☗4八玉

☖8六歩 ☗同歩

☖同角 ☗8七歩

☖4二角 ☗2九飛

 

(2図)

 

ミ「なるほど、攻めさせてから右玉かー」

ア「ディレクターの研究だと、ここから千日手の変化もあるという話でした」

ミ「千日手?」

ア「後手は☖7二飛と袖飛車に構えて金取りに出ます。先手は☗6八金左とかわします。そこで☖8二飛車と戻れば成りこみのチャンス。ですが、☗7八金と戻ると…」

ミ「おおー。立派な千日手じゃん。だけどさー」

ア「なんでしょうか?」

ミ「千日手って先後を入れかえて指し直すのがルールだよね」

ア「そうですね。あっ!!」

ミ「そう、この変化で千日手になるのなら先手番の意味あるかなーと思うんだ」

ア「ミギタマさん、いいところに気づきましたね。ここでこの将棋を実際に指してみた、ラジオネーム『白ビール』さんとお電話がつながっています」

ミ「なるほど、実際に指してみたリスナーにその時の心境を聞いてみようってわけだね。深夜なのにハチャメチャなことするなー」

ア「もしもし…」

 

解説:指していた時点では千日手の変化は気づきませんでしたが、変化を見るとなるほどという感じはします。とはいえ、本譜は先手番でしたが後手番でも苦にはしないタイプなので特に意識していませんでした。

本譜は2図から☖4四歩と矢倉の完成を急ぎます。以下

☗5六歩 ☖4三金右

と進んで3図の局面がこちら。

ここから私が仕掛けます。

 

ミ「後手の矢倉が堅くなってきたね」

ア「☖3一玉~☖2二玉を許すと堅さ負けは否めません。そこで先手は☗5五歩と仕掛けました

ミ「なんと、天王山で開戦か」

 

3図以下の指し手

☗5五歩 ☖同歩

☗4五歩 ☖8六歩

☗同歩 ☖8七歩

☗7七角 ☖8六角

☗同角 ☖同飛

☗7七銀 ☖8二飛

 

(4図)

 

ミ「お、攻め合いか」

ア「☗7七銀に☖8二飛と引いて後手の攻めが後退。先手はここから反撃に転じます」

 

4図以下の指し手

☗4四歩 ☖同金

☗2四歩 ☖同銀

☗8三歩 ☖同飛

☗6一角 ☖7三飛

☗7四歩 ☖同飛

☗8三角成

 

(5図)

 

ミ「陣形を乱すだけ乱したら今度は飛車いじめか。後手としては防戦に回るのはツラいなあ」

ア「後手としてはもらった歩を生かして反撃したいところですが、駒アタリの連続で許してくれないですね」

ミ「それでもディレクターの検証では互角らしい。先手の攻めが止まれば後手も楽しみが多いけど」

ア「実戦はここから8手進んだところで後手が投了しました」

ミ「Oh!どうやって決着がついたか見ていこう」

 

5図以下の指し手

☖5四飛 ☗7二馬

☖4六歩 ☗同銀

☖7四角 ☗4七歩

☖4五歩 ☗同桂

 

まで73手で先手の勝ち

(投了図)

 

ミ「おっと、この局面で投了か。早すぎる気もするけど」

ア「後手としては誤算があったのかもしれませんね」

 

解説:5図から☖5四飛と逃げたことで☗7二馬の銀桂両取りが成立。ソフト評価では☖5四飛に代えて☖7一飛で頑張るのが最善も、☗8二歩が厳しく後手がやや不利の評価です。

ただ、☗7二馬も微妙な一着。馬の利きがずれたことで☖8四角などの反撃手が生じました。本譜の後手は☖4六歩~☖7四角と隙間を作ってから飛車取りを狙いました。しかし☗4七歩と守られると意外と二の矢が難しく、☖4五歩も冷静に☗同桂と払っておけば大丈夫というところです。

 

 

ミ「さあここからは…」

ア「スリーポイントチェック

ミ「アオちゃん、このコーナーは?」

ア「はい。今回の将棋を振り返って、3つのポイントで整理していくというものです」

 

ポイント①:玉の遠さを生かす

ミ「今回は対矢倉戦の将棋だったね」

ア「相矢倉だと攻め合いの際に先に攻められるリスクがあります」

ミ「ところが、本譜の先手は右玉だった」

ア「玉の遠さを生かして先手が勝った内容と言えます」

 

ポイント②:受けながら作る手もある

ミ「今回は矢倉戦模様から矢倉の後手が仕掛けた。そのとき先手は居玉だったはず」

ア「居玉というのがポイントです。玉の態度を保留したことで矢倉か右玉か判断を迷わせたわけですね」

ミ「自分も迷わないように注意しようぜ!!」

ア「受けながら囲いを構築する構想もあります」

 

ポイント③:千日手も折り込んでおく

ミ「途中では千日手の変化も紹介したね」

ア「右玉自体が千日手も含みにした戦法です。本譜の場合だと2図の局面で千日手の可能性がありました」

ミ「となると後手番で力を発揮する戦法かな?本譜は先手から右玉にしたけど」

ア「千日手に持ち込んで得をするのなら後手で使いたい戦法の一つ。ですが、先手でも優秀性は変わらないと『白ビール』さんは話してくれましたね」

ミ「じゃあいろんな世界をのぞいて、可能性を広げていこうぜ!!」

 

 

ーエンディングー

ミ「というわけで『右玉浪漫飛行』の1回目、皆さん楽しんでいただけたかい?アオちゃんはどうだった?」

ア「そうですね。対矢倉戦を見ただけでも面白い要素がいろいろとありました」

ミ「ミギタマもまだまだ右玉はひよっこだけど、知らない世界にワクワクしてるぜ」

ア「楽しみが多い分、リスクもあります。次回はそのリスクについて触れていきたいと思います」

ミ「リスクか…。逆にドキドキするよね。ま、そのドキドキは次回までのお楽しみに取っておいてね。それでは今日はこの辺で。お相手はDJ.ミギタマと」

ア「アシスタントのアオテツでした」

ミ「それでは皆さん、Good Night!!」

~♪(エンディングBGM)

 

 

以上で「右玉浪漫飛行」の1回目を終わります。続いて将棋倶楽部24の近況報告を行いたいと思います。ルール詳細はこちら。

 

 

なお、今月は第1週は3日間に分けて実施しました。

それでは報告に入ります。

 
総合成績:13勝27敗。勝率.325
現在レート:995点 最高レート:1,288点
手番別勝敗
手番別勝率:先手番勝率.409 後手番勝率.222
 
ここまでは大きく負け越しできています。星の流れを見ると、先週は前半は3連敗スタートも2連勝。その後4連勝で盛り返すも後半に3連敗と6連敗を喫し負け越し。今週は前半に3連敗と5連敗を喫し、後半は3連敗2連勝を繰り返して大きく負け越しです。内容は正直語りたくありませんが…。ただ言えることは、無抵抗で負けるパターンが多く、受け重視で勝ってきた私としては生命線を失って苦労が絶えません。では戦型別の勝敗です。
自分から見た戦型
相手から見た戦型
ここまでは右玉が最も多いです。しかし成績が思うように伸びず、右玉を一時捨てようかとも思いました。しかし、代わりに採用数を増やした四間飛車も成果があまり出ておらず、長いトンネルに入ってしまった感覚です。
右玉一辺倒から居飛車振り飛車問わずバランスよく採用数を伸ばすのが理想ですが、勝てないと採用数を伸ばすことも難しいのが悩みところ。ここまでくると中終盤を見直したほうがよいのかと思います。
 
相手から見た戦型は分散傾向。居飛車では矢倉、振り飛車は中飛車が最も多いです。とはいえ多くても5局までなので、そこまで意識しなくてもとは思います。分散傾向の要因は、やはり私の四間飛車の採用が目立ったことが影響しています。四間飛車の採用が増えたことで、居飛車の対抗形の戦型が増えたことが要因です。対抗形は分散しやすい傾向にあり、警戒が必要です。ただ、やはり将棋は中終盤が大事と言われています。一局、一手に集中できるかも課題の一つです。
 
 
 
雑記帳①「『右玉浪漫飛行』の由来」
新企画「右玉浪漫飛行」はいかがでしたか?このコーナーは前作までの「雁木師コラム」を引き継いだ内容です。将棋に関する話題やそれ以外の話題などをざっくばらんにお話しできればと思います。
さて今回のテーマは「右玉浪漫飛行」についてです。まずはタイトルの由来から。由来はこの本から来ています。
以前当ブログではこの本をご紹介させていただきました。
その本のタイトルに「スリル&ロマン」とあったので、まさしく私の将棋のことだと思い(?)このタイトルに決めました。
 
で、どうしてラジオ番組風のストーリーに仕立て上げたのかと言いますと…。糸谷哲郎八段に由来があります。ニコニコ生放送でご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、糸谷八段はニコ生の将棋解説では局面が進まない間に「DJダニーのファンキーラジオ」という企画でひたすら視聴者からのメールに回答されていました。そこから「DJダニー」を尊敬するラジオDJを作ろうということで誕生したのが「DJミギタマ」というキャラクターです。ただ、ミギタマだけだとバランスに欠ける可能性が高いと判断して、アシスタントキャラとして「アオテツ」を誕生させました。
 
ストーリーの基本としては、ミギタマを軸にアオテツとの掛け合いで進行を進めていく形です。題材の局面は対居飛車から進めていますが、私の右玉はベースが振り飛車相手の将棋がほぼ7~8割を占めていますのでなるべくならバランスよくいきたいところです。24でもウォーズでも右玉を増やしていければと思いますが、最近の右玉の勝率もよくないのでその点が不透明です。題材は基本24の実戦譜からですがウォーズからも入手していくことも検討しています。
 
期間としては前回の「角頭歩の大冒険」が1年だったので、今回も1年間やってみたいかなと思います。ロマンに満ちた右玉のストーリーを皆様とともに楽しくできればと思いますのでどうかよろしくお願いいたします。
 
 

さて、いろいろと話してきましたが今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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