仕事が終わり、帰る支度をしていると

二宮さんが 慌てた様子で部屋に入ってきて
私の目の前にやってきた。


「はい。コレ。」


「…え?」


差し出された桜色の紙袋。茶色の瞳を揺らしながら、彼は 言いづらそうに話し出す。


「……ホワイトデーの、やつ。渡しそびれてて。ずっと...」


「えっ..... と。。ホワイトデーは、みんなでって いただきましたよ。」 


「あれは、義理のお返し。これは…あなたにだけ。トクベツなやつ。」


え…?  とくべつ?

思わず 二宮さんの瞳をみつめると、優しい瞳で見つめ返される。


「もうとっくに ホワイトデー過ぎてるけど、あなた ここのところ朝から課長とずっと一緒だし、、渡すタイミング、完全に逃してたから。会社帰りを外で待ち伏せすんのも 迷惑だし とか色々考えてたら、こんなに遅くなって...」


照れ隠しなのか、早口でそう言いながら、紙袋を再度差し出す。


確かに 課長の推薦で、新しいプロジェクトのサポートをさせてもらう事になり、ここ数週間 目まぐるしく忙しかったし、常に課長と一緒にいた気がする。



恥ずかしそうに紙袋を差し出す二宮さんは、まるで小さな男の子が 好きな女の子にプレゼントを渡すみたいな顔をして、普段のクールな彼は 何処へやら…
真っ赤に...なっている。


顔だけじゃない。
耳まで 赤くなっている。
かわいい//////

なんだか こっちまで照れくさくなってきた。


あれ、、、?
好きな女...の子.....?


え。。

私…! ?

え??


二宮さんとは 同じ課に所属するものの、今まで接点は ほとんどなかった。

朝早くくる二宮さんと、「おはようございます」と挨拶を交わすくらいだった。



差し出されたままの紙袋。
いつまでも受け取らないわけにもいかないし…



手を伸ばして、桜色の紙袋に触れようとした時、そのまま 手首を捕まれて、引き寄せられ、二宮さんの胸にコツンと頭がぶつかった///



\(//Д//)/ うわっ

ちょちょちょっと、、待って。
え?なに?

どーいうこと?


二宮さんの胸を軽く押すと、


「…ごめん。」


すぐに スっと離れて
後ろを向いてしまった。



「…二宮さん、、」


言葉に詰まってしまう。


くるりとこちらを向いた二宮さんは、優しい瞳でみつめてくる。


「…課長とやってるプロジェクト、オレも加わることになったから。その前に ちゃんと話しておきたかったから...オレの気持ちを、、」




正直、二宮さんは かっこいいと思う。
客観的に見て、いわゆる「イケメン」だ。

でも イケメンもここまでいくと、恋愛対象にならなくなる。見ているだけでいいレベルだ。

同じ課で毎日見られて、眼福✨だと、思っていた。


でもだからこそ、、
なぜ、私?


二宮さんなら、どの方面にもモテまくりだろうし。あえて私を選ぶ理由なんて…どこにあるんだろう?




それに…
私は…

その気持ちに応えることは 出来ない


「あーーー。それ。賞味期限大丈夫だと思うけど、早めに食べてね。なにせ渡すの大分遅くなってるから。」


「あ、はい。」


「……これからちゃんと見てね?」


「…なにをですか?」


「オレを、ですよ。」




(///_///) この人は…なんてことを。



「 恋愛対象じゃなかったでしょ?オレ。」



…するどい。確かに観賞用だと思ってた。



「だからさ、これから対象にしてみてよ。恋愛のね。」


…自信たっぷりなんだな、、


「いやいや。既に 対象外だったんだから、自信あるわけないでしょ?」



「ちょちょちょっと!!なんでさっきから私の考えてることわかるんですか!? 」



「……すき、だからじゃない?」



そう言って 
アイドルみたいなウィンクをした二宮さん。


そんなウィンクもセリフも 言い慣れてるのかな…なんて思ってしまいそうだけど、、


二宮さんの顔も耳も…ずっと赤くて。
茶色い瞳の奥に柔らかな熱を感じて...。


彼の言葉が どこまでも本心なのだと気付いた。


だから、その瞳の中にいるのは、苦しくて...



「二宮さん、耳が真っ赤ですよ!可愛い///」



そう笑って言いながら、彼の瞳から逃れた。







🌸🌸🌸🌸🌸


皆様、お久しぶりです。
お元気ですか?

こちらのお話、間が空いてしまい…
ごめんなさい💦

皆様にアンケートご協力いただいたのに!
ヒロインの名前もつけていただいたのに!
(m様 本当にお待たせしました!)


書いては消し、書いては消し していたら。
こんなに遅くなってしまいました。
(TheRoseも遅くて、ごめんなさい)







どんなお話か 覚えてないですよね!

貼っておきます!



さて。葵ちゃん。
にのちゃんを観賞用として(*´艸`)
楽しんでいたようです。

恋愛対象にしてくれるかな〜
にのちゃん、頑張って ‎|•'-'•)و✧