翔さんが買ってきてくれたパンの袋から パンをだしていく。


「…こんなにたくさん。。でも美味しそうですね♡たくさん買いたくなっちゃうの、わかります。トースターで温めなおしますので、翔さんは その間にシャワーでも、、、あっ!!!



「 どした?」



「……翔さん、、手っ!!!包帯どーしたんですか!!」



翔さんの手から 包帯が消えている。慌てて駆け寄り、手をみると…当然の事ながら、縫った場所が 露出している。



びっくりし過ぎて、言葉が出てこない。




「……今、気付いたのか?」



ニヤニヤしながら 翔さんが言う。




「……はいもやもやもやもやもやもや でも…どーして、包帯取ってるんですか!…あ。。取れちゃったんですか?」



「……いや、取ったんだ。…ここでキスしてる時。キスしながら、取った。」




「えっ、、?」




「……楓が オレの怪我を気にしてばかりいるから、、、包帯が目に入ると、どうしても気になるだろーと思ってさ。。」




「……気になるからって、、そんな…当たり前じゃないですか……でも、、ごめんなさい。今まで 翔さんの怪我のこと、すっかり忘れるなんて…。」 



ズンっと、沈んだ気持ちになる。




「 ばか。忘れて欲しかったんだからいいんだよ。」



どういう意味なのかわからない…


翔さんは 鼻の上をポリポリしながら…



「 ……もっとオレとのハジメテに…浸って欲しくて////////// 他のことなんも考えられなくしたかったんだ/////」




///////////////(´∩ω∩`*)



恥ずかしくて 翔さんの顔が見られない/////

そんな私の頭を翔さんが 撫でてくる/////

もう/////



「…傷は、、大丈夫なんですか?」



「ん。綺麗だろ。痛みもほぼないに等しいし。流石、渡海だな…。」




そう言いながら、傷口をみせてくれる。
腫れもなく、綺麗な縫目だった。



「…包帯巻きましょう。昨日 替えのものいただきましたよね。」



「ん。けど、シャワーこのまま浴びてそれからにしようかな。」



「そうですね。じゃあ、濡れないように…しましょうか。」



ビニールで 右手を覆っていると、、翔さんの左手が頬に伸びてくる。




「…昨日のキス思いだしてたら、、また欲しくなってきた/////」



唇が触れて…

求められて…

深まってく…



ああ…本当だ/////
なにも考えられなくなってく…


こんなキスされたら…




唇が ゆっくり離れてく。
翔さんの唇を追うように…みつめる。



「////////// ちょ、、シャワーいってくるわ。一人で大丈夫だからっ!!」




赤くなった翔さんが バタバタと部屋から出ていった。








┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



美味しそうなパンの匂いが 室内を満たし、コーヒーをいれていると、翔さんが部屋に入ってきた。




「おっ。美味そうな匂いだな。」



「幸せになる匂いですよね♡」




2人で 向かい合わせに座って…



「いただきます。」
「いただきます♡」



「うっんめー」
「んん〜おいしー」



「すごい!ここのパン、美味しいですね!」



「ん/////」



「こんなに美味しいパン、初めてかも♡」



「ん/////」




「次は どのパンにしよーかな〜♡翔さんは どれ食べますか?……えっ?どうしたんですか?」



翔さんが じっーと私の顔を見てくる。




「いや///// うまそうに食うなって。オレより食うのはえーし。」



「//////////」 



「早起きして買いにいったかいがあったなあって。今までは 自分の食べたい物だけ買えばよかったけど、楓がなに食べたいかなぁ…って考えながら買うの、なんか幸せだった。」




「////////// ありがとうございます。買ってきてくださって。今度は 私も一緒に行きたいです。」




「ああ///// もちろん。一緒に行こう。」




優しい瞳で 頷く翔さんに 照れてしまう。



一緒に食べる人のことを考えて
食べる物を買う幸せ//////////




そんなふうに自分の気持ちを言葉にして伝えてくれる翔さんが 好きだ。




翔さんの瞳が穏やかで…


今なら、、




「あの…」



「工藤と青木の処遇のことか?」



「!!…どーしてわかったんですか。。」




「楓は オレのこと、すぐ顔に出るって言ってたけど…楓もだからな。すぐ顔にでるのは。さっきその話がでた時、話切り替えて直ぐに別の話にしたろ?」



「……ええ。…翔さん、、」



「ダメだ。」



「まだ何も言ってません。」



「聞かなくてもわかってる。どーせ何もするなと言いたいんだろう?」



「その通りです。」



「それは無理だ。自分の恋人であり秘書である人に、あんなこと企まれたんだぞ? 青木は 止めるどころか加担していたわけだし。お咎めなしなんて有り得ないだろ。オレはそんな寛大な人間じゃない。」




「……翔さん、よく考えてください。それは 翔さんと昨夜 話し合う前の工藤さんです。それに青木部長は、工藤さんを止めようとしていました。ナイフまで持ち出して…。」 




「…何を言われても無理なものは無理だ。」




「……」

パクっ!!



「あっ!オレのクリームパンを!!」



翔さんが 手に持っていたクリームパンを一口食べた。



「( ̄▽ ̄) ふふっ。イジワル言うからです。」




「イジワルじゃねぇーから。当然の処置だ。」



「当の本人が、許すと…言ってもですか。」



「…………楓は 甘すぎるんだ。」 



「人間、間違いを犯すことも…ありますよ。でも今回は 事前に止められたのですから。それにもう二度と、 そんなことしないですよ。」




「……楓」




「専務。秘書としての工藤さんは とても優秀な方です。青木部長は…専務の方がよくご存知ですよね。今一度、処遇を考え直してみてください。」




「………」




「専務、、お願いします!」



立ち上がって頭を下げた。



翔さんは 直ぐに立ち上がって隣にくると、、頭ごと抱きしめられる。




「……ずりぃわ。反則だろ?そんなことすんの。」




そう言いながら 抱きしめる力を強める。




「本当に全て許すのか?」



「……私の件は、です。今まで虐めてきた人には…心からの謝罪をすべきだと思います。謝ることに遅いなんてことありませんから。」 




「……底なしだわ。」



「底なし?」



「かえで沼にハマってんのオレ。」



「///// ずっと ハマっててくださいね♡」




翔さんからのキスが またおちてくる/////






幸せの最中…






一つだけ、翔さんに言わなかったことを
心の奥にしまった。



青木部長も探偵には 言わなかったのだろう。



あの時、私が専務には絶対に言わないようにお願いしたことを…



「…舞香は、楠さんのことを襲わせた後……拘束して顔の皮を剥ぐ気だったんだ。その為の道具を裏サイトで購入していた。異様だったよ、、嬉々として剥がす方法を調べながら楽しそうに話をする舞香は……。でも同時に可哀想だとも思った。楠さんの顔を着ければ、専務に愛してもらえると信じているのだから…」



工藤さんが しようとしていたことは、正直 怖くてたまらない。でも、もうそんなことを考えたりしないと思う。



工藤さんは 自分だけを愛してくれる人をみつけて、その人を愛し始めているのだから…