絢爛たるヤンキー少女漫画大研究!! | きたがわ翔のブログ

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漫画家です。
仕事や日常生活についてゆる〜く発信していこうと
思っています。

ああっ!!おそろしやおそろしや......!!

 

正直これだけはずっと書くのをためらっておりました。なぜって.....

今を去ること35年近くも前、長さにしてほんの三年ほどの間少女漫画界に巻き起こったあの現象....

現在では誰も語りたがらない封印された黒歴史.....(そうなのか?)

 

しかしここは勇気を持って書くことにいたします。それは私こときたがわ翔が漫画家デビューしたのはまさにその現象のど真ん中であり、

 

私はその生き証人だからなのですっっ!!!!(大袈裟)

 

 

閑話休題。

 

 

え...と、まず、現代のお若い少女漫画読者の皆様方、

少女漫画に出てくるヒロインの相手役の男の子についてなんですが、

 

その....主人公が恋してときめくかっこいいヒーローがですよ....?

リーゼント頭で煙草をスパスパ吸う超ヤンキー男だったら....一体どうしますかっっ!?

 

 

そんな馬鹿な!!と笑うかもしれませんが(私も出来れば笑いたいけど笑えない)そんなありえないヒーローが1979〜83年頃まで世の中&少女漫画界をなぜか斡旋していたのですよ!!

 

リーゼントでつっぱってる不良っぽい彼ってステキ♡きゃっ♡みたいな....し....信じられますか!?

 

 

 

ここで少し当時の時代背景を語ってみようかと思います。

 

80年代初頭、原宿に竹の子族なるものが登場しまして、歩行者天国(ホコテン)にて大ブームを巻き起こします。

それと同時期に50sファッションが大流行り。

男子はポマード塗りたくったリーゼント頭に皮ジャン、女子はポニーテールにコインドットのスカート(下にぎっちりペチコート)ラジカセかけながらツイストを踊る踊る.....(ひょえええええ!!)

 

横浜銀蝿なるキャロルをパロってコミック化したようなバンドが流行ったのもこの頃。

暴走族がかっこいいなんて言われていたのもこの頃。

そして漫画、ハイティーン・ブギ(原作後藤ゆきお 漫画牧野和子)が流行ったのもこの頃。

 

 

この漫画が始まったのは77年ですが、

急激に人気がではじめたのは80年代に入ってからだったと思います。(近藤真彦主演で映画化もされた)

まさにその後の流行を予見していたような奇跡的漫画とも言えます。

しかもキャラクターがヤンキーなのにとても爽やかでかっこよかった!!

 

 

今では死語ですが、当時はそういったヤンキーな方々は皆つっぱりさんと呼ばれておりました。

決して相撲取りとは関係ございません。(おいおい)

 

そういったリアルなヤンキーセンスをいち早くとりいれた先駆的な少年漫画漫画はおそらく吉田聡先生の湘南爆走族であったかと思うのですが、調べてみると意外にも湘爆が始まったのは82年。(ビーバップよりは早い)

 

しかし少女漫画では79年頃もう既に....

 

  

.週刊マーガレットで活躍されてた森川タマミ先生の危険なふたり

ひええええええっ!!こっこのルックスが当時の少女漫画のヒーローたりえたのですよっ!!!!

 

 

続いて巨匠山下和美先生の最初の連載作品、グラサンララバイ

 

こちらは80年作品。さすがに今見てもオシャレ。

 

 

そして別冊マーガレットにて最初にヤンキー風の男の子を描いたのは意外にも当時デビューしたてだった

たかやなぎさ先生だったと思います。79年頃。

 

あったか気分にのってより。学生服の詰襟のホック&ボタンを外しているのが不良のポイント。

 

そして、現在少女漫画界大御所のお一人であり、彼女と同学年同北海道出身の高校生漫画家

いくえみ綾先生までもが....

 

初恋ゴールのむこうがわより81年。

 

いくえみ先生は当時に私にこんなこと言っていましたね。

 

(つっぱりさんは特に好きなわけではないんだけど描きやすいんだよ〜

不良なのに優しいとかってキャラ的に立ちやすいし何より身近だし....)

 

北海道の学生さんは当時つっぱりが多かったのでしょうか??

 

 

 

そしてそして....当時別マのメジャーな先生方も堰を切るように次々と....

 

多田かおる先生。コミックスの表紙でくわえ煙草とか今じゃ絶対ありえない!!

 

うう....茶木ひろみ先生のヤンキーキャラも凄かった.....

 

 

 

 

で、こうなってくるとですね.....

 

当時の新人デビューコーナーもヤンキー漫画で埋まる埋まる。

まさしく百花乱舞でござい!!!!

 

冨樫じゅん先生....

私の知る限り史上最年少(十二歳)デビュー、西岡由美子さん。

 

ぐはあああっ!!つっぱりっこ!オレのヒロインってタイトルがすごっ!!

そして....こ.....この流れではやはりこれも見せねばなるまいっ!!

 

ちゅどーーーーーーーーーーーーーーーん(悶死)

 

 

 

 

そしてそして、中でも私が当時別マの新人ヤンキー漫画で一番好きだったのがコレ。

 

おちあいエミさんのナウさ100%のデビュー作、UFO=裕歩という作品!!

な....ナウかったんですよ〜!!

 

 

これまた未成年のヒロインが煙草吸うシーン。(おいおい)

 

 

長ランすごっ!!

 

 

キャラ全員パーマネントのヘアスタイルといい、全員シンナーでラリってるようなセリフのやり取りといい

もうマジさいこーです!!!!

 

 

そして....82年になるとついに紡木たく先生がデビュー。

 

で...デビュー作からパーフェクトなデッサン力....

 

 

彼女の登場によりヤンキーは全体にキラキラした洗練されたものになってゆき

それが名作ホットロードへ繋がって行くわけですが、

私が懐かしいと思うヤンキー少女漫画は基本ここまで。

高口里純先生などももう少し後かな?

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

この時代を知らない方々はおそらくこれを見て狂ってるとしか思わないでしょう。

しかし、当時中学生で多感な時期を過ごしていた私は今、こうして画像をアップしながらあまりの懐かしさに不覚にも心ときめいてしまうのでした......