この10年間で、脳の研究は急スピードで進歩しているそうだ。その成果を応用すれば、脳を調べるだけで他人の考えていることや夢の内容までもわかってしまうという。
研究が進歩した大きな要因はAIの発展であり、莫大な脳の情報をさらに詳細に解析できるようになったとのこと。

見ているものに対して、ヒトの脳の反応は大幅に違うという。例えば、テーブルに置いてあるグラスを見ている時と、窓の外の木を見ている時では、脳の活動の仕方が異なるそう。
そのため、様々なものを見た時の脳の活動パターンデータをたくさん収集すれば、AIを使って今の脳の状態と照らし合わせて、何を見ているのか高精度でわかるという。

夢も同じようにデータを集めれば、完璧ではないがAIの解析でだいたいの内容がわかるそうだ。そこにイラスト生成AIを組み合わせれば、自分が見た夢を絵で出力することもできるという。

既に、身の回りで実用化されている脳に関する技術も多いそう。国内で特に活用が著しいのは精神医療の現場なのだとか。
これまでの精神科での診断は、それぞれの医師の考え方など主観によるところが大きかったと言えるだろう。実際、当初は誤った診断を受けていて、あとから病名が変わるケースも多いという。

ところが、AIを使ってたくさんの脳画像を隅から隅まで調査すると、うつ病患者の脳には特有の活動パターンがあることがわかったそう。この成果により、精神医学界における治療の常識が覆ろうとしているようだ。

おそらく、将来的には脳と外付けのメモリを繋げることにより、自由に過去の記憶を引き出して読み込むことが可能になると考えられているという。
また、AIと高性能センサーを使用すれば、判断力をカバーするデバイスも開発できる可能性があるようだ。先進のテクノロジーで、加齢による限界を超えることもありえるかもしれない。

物忘れや判断力の低下に悩む人にはいい知らせかもしれないが、AIの力を借りて困難を解決すると確実に失われてしまうものもあるという。とはいえ、使い方次第では役立つだろう。なんでもかんでもAIに頼らないということが大切なのかもしれない。