また、この時間が来てしまった。
さっきまで、森の中で焚き火の火を眺めていたはずなのに。
あんなに穏やかで、何もかも忘れられた気がしていたのに。
高速を降りて都会の渋滞に捕まった瞬間、あの「いつもの重苦しさ」が、肺の奥まで入り込んできた。
僕にとってキャンプは、趣味なんて綺麗なもんじゃない。
月曜からの5日間、あの場所で、あの人たちに囲まれて、また自分を殺して働くための、ただの「麻酔」だ。
週末にたっぷりその麻酔を打ち込まないと、平日の痛みに耐えられない。
でも、最近その麻酔の効きが、びっくりするくらい悪くなってる。
焚き火を囲んでいても、「明日の今頃は、あの会議室か」なんて考えてる自分がいる。
リセットボタンを押したつもりが、バグが起きて、再起動した瞬間にまた前のフリーズした画面が戻ってくるみたいな感覚。
癒やされたはずなのに、心は全然軽くなってない。
むしろ、週末が楽しければ楽しいほど、日常とのギャップに吐き気がする。
麻酔が切れた後のリバウンドで、前よりもっと生きるのがしんどくなってる気がする。
「場所を変えれば、なんとかなる」
そう思って、必死にキャンプ場を予約し続けてきた。
でも、どこまで逃げても、結局自分をバックパックに入れて運んでるだけなんだよな。
このままだと、いつか壊れる。
そんな予感はしてるけど、他にどうすればいいのか分からない。
週末もまた、逃げるように山へ向かうんだろう。
何の解決にもならないって、本当はもう気づいてるのに。
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