こんにちは。順天堂大学静岡病院麻酔科です。
当ブログが10年以上放置されているのを発見したので、ぼちぼちやっていくことにいたします。
2025.11.5
冠動脈バイパス術後中長期のAF発症率について
Herrmann FEM, Jeppsson A, Kirov H, Charitos EI, Dacian D, Brömsen J, Massberg S, Sadoni S, Doenst T, Juchem G, Hagl C. Long-Term Continuous Monitoring of New-Onset Atrial Fibrillation After Coronary Artery Bypass Grafting. JAMA. 2025 Oct 9:e2514891. doi: 10.1001/jama.2025.14891. Epub ahead of print. PMID: 41065638; PMCID: PMC12512030.
はじめに
CABG後のAF新規発症率は20-30%程度であり、米国のガイドラインでは、CABG後新たにAFを発症した患者に対し60日間の経口抗凝固療法が推奨されている。しかし正確な発症率は先行研究の限界の都合で明らかでない。目的は、CABG後1年以内に新規発症するAFの頻度が、既報より高いのではないかという仮説を検証し、あわせてAFの負荷を評価することである。
方法
初回単独CABGで、2本以上のバイパスを実施、AFその他の不整脈の既往がない、術前EF35%以上の成人を対象とした。
術中にICMを埋没し、持続モニタリングを開始した。
主要アウトカム:術後一年以内の新規AF累積発生率
副次アウトカム:一年間におけるAF累積持続時間、AF発症、臨床アウトカム
2019/11-2023/11に1217例がスクリーニングされ、適格患者198例
結果
192例が一年間の持続モニタリングを完了した。
主要アウトカムについて95/198例が新規AFを発症し、累積発生率は48%(95%CI, 41-55%)
副次アウトカムについて、一年間のAF発症中央値は0.07%、AF累積持続時間は370分。
AF発症中央値は術後1-7日目3.65%、8-30日目0.04%、31-365日目0%
AF累積持続時間はそれぞれ368分、13分、0分
結論
新規AF発症率は既報より高いがそれらはほぼ一過性のものであり、術後30日以降のAF発症率は極めて低かった。
感想
抗凝固療法中の症例の麻酔については、区域麻酔ガイドラインや「非心臓手術における合併心疾患の評価と管理に関するガイドライン」を読んで専門医試験に臨むひとたちが多いと思うんですけど、CABG後の抗凝固どうなん?て視点もあるのね〜なるほど〜1ヶ月はとりあえず注意ね、て感じでした。ゆるっとしててすみません。
こんな感じで毎週水曜と金曜に医局で勉強会をやっています。上のものは教授が紹介した論文についてのレジュメをさらに端折ったものなので、詳細は元の論文を参照してみてください。
麻酔科を検討している初期研修医や、麻酔科専門医試験を控えている後期研修医にとっては、毎週の勉強会の内容は結構いい感じなもんだと思うので、時間があったらこうやって共有していきます。