「お父さん嫌い…」

普通の家だったらただの娘の反抗期だと思いますが、
私の家では違いました。
私が自分の難病遺伝家系のことを知ったのは、
中学生の時でした。


小学校の頃は、
運動神経抜群で美術のセンスに長けている父が、
少し亭主関白な一面もありながら自慢の父でした。
アウトドアが大好きでいつも、
海や山、プールや公園に連れていってくれました。

ところが中学生にあがってから、
急にすぐに怒りを周りにぶつけるようになりました。

今思えば本当に小さなことで(ごはんの味がいつもと違う等)、
子供の喧嘩のようにすぐに癇癪を起こし、
怒鳴りつけ、殴る。蹴る。
母はいつも泣いていました。

この時のことは記憶に蓋をしていたのですが、思い出すと映像が溢れてきます。

いつも父はヒートアップすると
母を怒鳴りつけ蹴り飛ばして、
家から締め出し鍵をかけていました。

塾から帰ると母が洗面所に殴られ倒れていて、
隣で父が悠々とタバコを吸っていたこともあります。

暴力があまりにひどくとめられなかったため、
警察を呼んだこともありました。
 
母は娘から見てもとても綺麗な顔立ちで親戚や地元で評判でしたが、
痩せてやつれてしまい、
夜中の怒鳴り声のせいもあって、
周りからあまり声をかけなくなりました。


「お父さん大嫌い…」

それが、お父さんの難病の始まりでした。
自分もいつか、大切な人にひどいことを言ってしまう可能性があると思うと、怖いです。