この曲で面白いのは、サビを「唸りあげた」後に突然にクラシックなバックミュージックが始まることだ。流れているのは、モーツァルトのピアノソナタ第11番 イ長調 K. 331 (300i)第1楽章。モーツァルトの中で代表的なピアノソナタ曲である。通常、ピアノソナタとは4楽章から成り立ち、うち1楽章はソナタ形式と呼ばれるテンポの速い音楽が普通だが、モーツァルトのこの曲はあえて3楽章にしたうえで、1楽章に緩やかなものを持ってきた。その斬新さを知ってか、知らずか20歳の椎名があえて入れ込んできたのが興味深い。
別れないでって泣きつく男を切り捨てる曲。曲中にも文字通りCut off(切り落とす)という物騒な曲が出てきます。そもそもタイトルはI don’t Give a Fuckの頭文字。一つのFuckも与える気がないというのは、もう興味がないということを現しています。今どきの女の子の強烈さ。青と赤で構成される女性たちだけで織りなすPVがステキです。
≪P!nk - So What≫
So what=だから何?っていうのは、開き直るときにも使われる一言。歌詞もなかなか大胆な内容で、その内容から元夫キャリー・ハートとの間での離婚について触れたものではないか、とずっと巷で言われている一曲。私は今宵もロックスターなので、夫なんて要らない!と言う強気な女性が、チェーンソー持って大木を切り倒すPVにも前面に溢れる。
イングランド南西部のサマセット州の小さな村、ピルトンで1970年より続いている音楽フェスこそ世界最大との呼び声も高いグラストンベリーフェスティバルである。正式名称をGlastonbury Festival of Contemporary Performing Artsと呼ぶ様に、ロックに限らずあらゆるジャンルの現代的な芸術を集約したフェスだ。1970年頃に、イギリスで入場料を取らない様々なジャンルを融合した催しが盛んになった。これを一般にfree festival movementと呼ぶが、グラストンベリーフェスもこの影響を受けている。牧草の保護のために不定期にお休みを設けるのも環境保護に熱心なイギリスらしい。昨年はお休みだった。
≪The Chainsmokers & Coldplay – Something just like this≫
ロックで名を馳せたColdplayと、EDMのブームの中で頭角を現したChainsmokersの異色のコラボが各々の良さを殺さずに完成させたドラム少なめのダンス兼ロックの音楽。スーパーマンの格好をした少年から始まるPVで、幼い頃に夢を見た様々なヒーローたち・・・ヘラクレス・スーパーマン・バットマン・・・を思い浮かべながら、I don’t see myself upon the list=自分という凡人はそのリストには載っていないと嘆くところに、あなたから「そんなスーパーな人は求めていないのよ」、と彼女からの優しい一言。
≪Bruno Mars – Just the Way You Are≫
初期の頃のBruno Marsによる代表曲。冒頭からバスドラムが4拍子で刻むので、それこそダンスミュージックの様なノリノリな躍動感があり、比較的盛り上げ上手な曲。ハイトーンボイスが綺麗に響くので、感動も同時に呼びやすく、色んな意味で使いやすい。Just the way you areは、「ありのままのあなた」ということ。サビの部分は「あなたの顔を見ると、世界の何も変わらなくて良いと思う。Just the way you areで良いのだ」ということ。カセットテープを使ってメッセージを伝えるPVはオシャレながら現代っぽくないレトロさも持っていて良い。パラパラ漫画を見ている様な懐かしさだ。
元祖Just the Way You Areはシンガーソングライターのビリージョエルにより編まれた。この曲は日本語では「素顔のままで」と訳されている。当時の妻エリザベスに捧げられた正真正銘の等身大のラブソング。ボサノバ調のリズムにサックスのソロが響き渡る正しく泣きの一曲。
≪One Direction – What makes you beautiful≫
ワンダイを世界に知らしめた代表曲。タイトルの「あなたをBeautifulにさせるもの」というのは、自分のことをBeautifulだと思っていないこの女性の控えめさ。部屋にいる誰もがその美しさを見ているのにあなただけはそれを分かっていない(Everyone else but you)、そんな感じがあなたをBeautifulにさせるのだ、と言う現代っぽくないポップソング。一方で、PVは海岸を駆け回る若い五人集と美人な女性達で成り立っており、さながら男女七人夏物語の様な「軽さ」を持つ何とも現代的な若者ソング。その絶妙なギャップが良い。
直截なプロポーズの言葉「Marry You=結婚してください」がタイトルとなった代表曲。「ドン・ドン」と一拍ずつバスドラムが刻むので、行進曲の様な勇ましさが出ており、入場・退場等、明るい場面に向いている。歌詞もWe are looking for something dumb to do=Dumb(くそみたいな・ばかげたこと)をやっちゃおうぜ!って比較的軽い曲。突然集団のダンスが始まる「フラッシュモブ」の定番でもあるから、余興に使うケースも多いそう。
男性ロックバンドTrainの「Marry me」。ギター一本のアルペジオが奏でるバラードソングの定番。こちらはWill you marry me?の省略なので、男性がプロポーズしている曲。結婚式での彼女の姿を見ながら感動する僕を歌う等、全般としてストレートに結婚したい思いが溢れるバラードなので、男性サイドでの感動シーンやエンディングで選んでみたい曲。PVは冒頭で色んなカップルの思い出話を振り返っている。
≪Maroon5 – Sugar≫
Maroon5が各自の結婚式にサプライズで登場するシーンを纏めたシーンがベースのPVということで、あらゆる結婚式で多用されるアップビートウェディングソングの定番。PV冒頭での「Let's do it=さぁ、やったろうか!」って聞こえるが印象的。 「Sugar」は、人生における甘さの比喩。あと一つの(少しの)甘さが僕の人生をより豊かにしてくれるから(Need a little sweetness in my life)、ぜひそのSugarを僕に付け足してくれないか、という内容です。現代的なプロポーズの形、でかつ、Theアメリカって感じ。
かつて民放テレビ局が持ち回りで放映していた年次の音楽番組がある。『日本歌謡大賞』だ。TBSの年末の恒例音楽賞番組『日本レコード大賞』はその歴史を1959年まで遡る。1959年と言えば、アイオワ州クリアレイク近郊に小型飛行機が墜落し、乗っていたバディ・ホリー、リッチー・ヴァレンス、J.P."ビッグ・ボッパー" リチャードソンの3人のロックンローラーが同時に亡くなった「音楽が死んだ日」(The Day the Music Died)の年。ロックンロールが死んだ年に日本で生まれた歴史的歌謡曲の賞、栄えある最初の受賞者は当時30代前半だった水原弘のデビュー曲『黒い花びら』だった。渋い声で歌っているが、「だから だからもう恋なんかしたくない したくないのさ」と歌うれっきとした恋愛ソングで、当時若い女性に受けたらしい。
1960年代にフランスで生まれたYe-Yeとは、英語のYeah Yeahに語源を持つフランスポップスの一ジャンルである。英米で大流行をしていたビートルズを始めとした英米でのいわゆるロックンロールに着想を得て、セルジュ・ゲンスブールの様な作曲家の前衛的な試みの元に誕生した。1959年から10年間続いたラジオ番組Salut les copains、その中のコーナー「今週のSweetheatな一曲」に取り上げられた柔らかな曲が大衆に広まり、それがYe-Yeソングの源流である。このラジオを象徴するのは、ラジオ内で使われたアメリカのメンフィスで生まれ、いわゆるメンフィス・サウンドを作り上げたといわれるR&B集団マーキーズのデビュー曲『Last Night』。
こうしたブームの中で名前を知らしめて行った若い女性たちはYe-Ye Girlと呼ばれた。
≪Tous Les Garçons Et Les Filles / FRANCOISE HARDY≫
今はギャルリー・ラファイエットやプランタン、ランセルといった百貨店の本店が立ち並んでいるパリ9区の出身。1962年のデビュー曲は英訳すると「All the boys and girls」と言ったところ。恋を知らない若い女の子が恋に対する憧れの気持ちを歌った柔らかな3拍子のポップソング。この曲から始まりハーディーはYe-Yeブームをリードした。この曲が象徴する様にYe-Yeソングはある種、無垢の曲(innocent songs)である。