『春の泊まり』F30号
令和7年 日美展水墨画展作家入選作品です。
2025年8月に国立新美術館で開催された日美展の出品作品です。
作家部門で入選をいただきました。
今年も桜を描きました![]()
大きな池にお堂が浮かんでいて、そのほとりに重たい枝を垂らしている
しだれ桜です。
春の泊まりという題名は、
けふもまた 花みて暮らす旅人の 春のとまりは 桜なりけり
という和歌から(為中集より)引用いたしました。
今回は、中国の少し厚めの夾宣(きょうせん)という紙を使用し、桜の花の部分は
白抜き材を使用し白く抜いて描いています。白い絵の具は使っていません。
白抜き材は『白抜き一発』という、液体タイプのものを使っています。
白い液体で、薄めたりせずにそのまま使えますので
便利です。乾くと透明になります。
まずは墨で、大まかな枝を描いてから、白抜き材を点々と置いていきます。
白抜き材は墨を少し混ぜると薄いグレーになるので、ところどころにグレーの花も描いていきます。
乾いたら裏返しにして全体を濡らしてから薄い墨で裏から染めます。
乾いた後にひっくり返すと、白く抜いたところが浮かびあがります。
白抜き材の上から、上書きできるので、影をつけたいところを墨で
描いていきます。
背景を濃くしていったり、夜空を暗くするときは紙全体を水スプレーで濡らしてから
薄い色から濃い色へ、何回かに分けて徐々に染めていきます。
最初から濃い色を使うと失敗しますから要注意です。(^^;
それと普通の毛筆で白抜き材を使うと、毛がバサバサになって使えなくなるので、
ナイロンの安い筆を使うといいです。
専用を1本用意しておくことをお勧めします。
夾宣は、もともとの紙の色がベージュ寄りの色をしていることと、そして古い紙を使用したため
全体的に少し黄味がかっています。中国の紙は、古い紙のほうが品質が良く滲みが綺麗にでるのと、
描きやすいため古い紙を使用しています。
桜の部分や湖面の白い部分は若干黄色っぽくなっていますが、鑑賞には問題がなく
古い紙の雰囲気を味わっていただけるかと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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