双極性障害(躁うつ病)の覚え書き①

 

双極性障害は、薬物療法が最も有効な精神疾患 (最重要!)

 

いわゆる躁うつ病。この病気は、薬物療法で患者さんの人生が変わるので、精神科治療の醍醐味とも言え、診断・治療を間違わないこと。病気により波乱万丈ながらも、いろいろ楽しめる人生ならいいが、悲惨な体験を繰り返し大変な人生を送る人も多い。

 治療の継続も重要で、そのためには、疾患教育をすること。幸い仲良くなれば、理解もよく治療に協力的な人も多い。

 

<双極性障害の特徴>

 

1.双極性障害の人の性格(神田橋先生)=重要

気の利くいい人が多いが、子供に似た無邪気な自己中心性。仕事にも熱心で社会的成功者多い。うつ病の人のように「和」の関係を求めず、愛される、認められる、尊重される、ことを好む

 「他人に親切にしている自分」に自惚れる人(別に悪いことではないが)

 

2.気分障害の基本は、躁ではエネルギー高い(インフレ逆にうつはエネルギー枯渇(デフレ

 

3.遺伝的素因が大きく、再発リスクも高いため、長期間、もしくは一生涯、治療を続けるべき疾患

 

4.季節性因子多い

 a. 春に急に目覚めるように躁状態、秋から冬に寝込む人

 → 季節の変わり目に病状悪化しやすい

 b. 季節性うつ病で、躁病相は目立たないけど、双極性と同じ病態の人 =うつ病相で寝込む人

   精神運動制止状態、気分的な悲しさではなく、動けない辛さ

 

5.年齢的因子 =昔は「躁うつ病は若い人にはない」と言われていた

  若い頃は、躁状態で無理をしても、その後のエネルギー低下=うつ病相が目立たない(軽い不調、大人しい時期と思う程度)

  年を取ってくると、躁状態でエネルギー使うと、消耗してうつになり易い

→若年者への双極性診断が最近増えたが、汚染物質による脳の変化や、社会環境変化などで、エネルギーが低い若年者が増えたからか?双極II型似のまがい物の混入も多い

 

6.発症後、数々のトラブルで周囲に多大な迷惑をかけ"パーソナリティー障害"と診断され、気持ちの悪い治療"(神田橋先生)を受けた人

  適切な治療を受けてない人、抗うつ薬や抗不安薬、変な心理療法で、ぐちゃぐちゃにされた人が意外と多い(双極性の診断を受けていても!?)

  きちんと治療されると、別人のように様変わりする人も =悪い薬は減量中止、リチウムにメジャーを加えて治療したい

 

7.疾患の理解がよい人は、自分の脳の変化に気づくので、自己モニタリングができる

  「あの時から明らかに頭が働いて絶好調だった、躁で発病したんだな」「最近ちょっと元気かと思ったら、ドパミンが頭の中でキラリと出る感じが分かった」