急に受け入れてくれて
本当にありがとう
明日から、また頑張れそうです
妹は
改札で
何度も振り向いて
笑顔で手を振って帰っていった
10年前は
実家に帰ると
おかえり!
あ、いらっしゃい…かな?
と、
言っていた妹
たくさんのお土産を抱えて
幼いころのままの不安気な素顔を
お化粧で上手にかくして
ヒールの高い靴を履いて…駅で待っていた
妹は、うちに着くなり
さっさと荷物をほどいて
ゆるゆるしたワンピースに着替えた
それから
本屋にでかけたり
花摘み娘と川辺に出かけたり
お気楽伯爵と
ガラスペイントを楽しんでいた
私が用事を済ませる間
3人は楽しそうに何か話しているのだった
もうすぐ
風が吹くよ
629番の魔女が言った通りだった
しかし
肝心なことは
何にも言わずに
ただ、ありがとう
と言って
少し申し訳なさそうに笑うと
妹は荷物を詰めて帰って行った
一晩に一本ずつ映画を観て
その後
一緒に風呂で温まり
隣で眠った
大事な話は
しなかったけど
お互いに
しわしわだったり
よれていたり
やぶれてしまっていた部分が
目立たなくなったのだった
