医学通信社 武藤正樹(著)

本書は、医師を経験し、現在医学系大学の教授や研究機関の代表を務める
武藤正樹氏が、これからの医療業界の展望を示した一冊です。
これまで様々な医療系の書籍で出てきたキーワードにつて、
本書では大部分が網羅され、その現状・海外状況・日本での今後が分かるようになっています。
主に診療報酬制度による誘導策の中で、
今後業界全体としてどのように動いていくかがチェックできます。
今後の展望を示すいくつかのキーワードをチェックします。
まず地域医療に関しては、病病連携・病診連携が重要となり、
そのために地域連携クリティカルパスの整備が急がれています。
また、診療報酬に関しての動きとしては近年導入が活発となったDPCを始め、
日本版RUG、P4Pなど、包括払いと質の評価の動きが出てきています。
医療供給に関しては、チーム医療・スキルミクス等による生産性確保や、
ナースプラクティショナーなどプライマリケアにおいても変革が進んでいくそうです。
包括支払いになった際には医薬品・医療材料の問題が出てきます。
その際にジェネリック医薬品の利用及び質の担保が重要になってきそうです。
このように医療業界の中の各分野で海外の先進事例が検討され、
診療報酬による誘導策がそれぞれ図られています。
私の個人的な感想では、これら様々な事象がつながり、
有機的に機能することで、多くの問題が解決出来るのではないかと思います。
ですが、現実的には制度の落とし穴や不具合も現場では多く出ると思います。
それぞれの医療機関にとって有益に働き、業界が活性化していくよう、
制度が整備されていく事を願っています。
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<書籍データ>
『医療が変わるto2020―DPC/PDPS・地域連携・P4P・臨床指標・RBRVS・スキルミクス・etc
医学通信社 武藤正樹(著)
2011年5月10日 発行
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